劇場公開日 2012年3月10日

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シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム : インタビュー

2012年3月7日更新
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ジュード・ロウ、ガイ・リッチー監督の壮大なアイデアに仰天

ガイ・リッチー監督、ロバート・ダウニー・Jr.とジュード・ロウが、2009年の大ヒット作「シャーロック・ホームズ」に引き続き、再び顔を合わせた新作「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」が完成した。名探偵ホームズ役のダウニー・Jr.と相棒ワトソン医師を演じるロウによる軽妙な掛け合いと、さらにスケールアップしたド派手なアクションが魅力の本作について、来日したロウに話を聞いた。(取材・文/本間綾香)

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これまで何度も映画化&ドラマ化されている名作推理小説を、リッチー監督がアクション満載の斬新な映像で味付けした「シャーロック・ホームズ」シリーズ。圧倒的な頭脳と身体能力を持つホームズに、前作では振り回されっぱなしだったワトソンだが、続編では立派な右腕としてホームズの窮地に思わぬ活躍を見せている。

「今回のワトソンは頼もしかった? そう思ってくれてうれしいよ。2作目を作るなら物語も、ホームズとワトソンの関係も進展しなければいけない。そうでないと、観客は退屈してしまうからね。前作でワトソンがどんな人物なのかすでに紹介していたから、今度は彼の性格をさらに掘り下げることを意識したんだ。ワトソンの過去や能力をもう一度整理しながら、彼の違った側面を描くためのヒントを探っっていった。あと、ホームズは常に犯罪を解決する手法を、ワトソンに教えているんだよ。そういう部分も今回は強調したいと思ったんだ」

ダウニー・Jr.とロウがスクリーン上で醸し出す抜群の相性によって、前作は全世界で5億1800万ドルの興行収入を記録した。個性派ダウニー・Jr.がもつ飄々(ひょうひょう)とした魅力、姿を見せるだけで観客の視線を一気に集めるような独特の存在感は“異色のヒーロー”ホームズに重なり、見る者をワクワクさせてくれる。

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「ロバートは特別な男なんだ。彼はさまざまなことを経験してきたがゆえの、人間的な深みがある。仕事熱心だし、信念がある。彼の目はごく自然と輝きを放っているんだ。なんというか、言ってしまえば子どものような人なんだよ(笑)。新しいアイデアに興奮し、興味を持って大胆に挑戦する。特に意識せずとも、そんな精神を持ち合わせているんだ。僕は彼をこれ以上ないほど尊敬しているよ」

続編は、原作小説でも人気の高い悪役モリアーティ教授が登場し、ヨーロッパをまたにかけてホームズと知力・体力をかけた決死の戦いを繰り広げる。高名な数学者という“表”の顔と、世界の富と権力を掌握しようと企てる“裏”の顔をもつモリアーティを演じるのは、ベテラン俳優のジャレッド・ハリスだ。

「ジャレッドは素晴らしい俳優だ。彼の演技を見ているだけでゾクゾクしたよ。ちょっと目をしかめたり、唇をゆがめるといったわずかな表情の変化だけでモリアーティの猟奇性が伝わってくるような、そんな表現ができる役者だ。彼がスクリーンに現れるだけで、肉体だけでなく精神的にも追いつめられるような底知れぬ恐怖を感じると思う。ジャレッドはこれまでにたくさんの映画やドラマに出演しているが、観客の中には“見たことあるけど誰だっけ?”と思う人もいるかもしれない。でも、この映画を通じて彼の名前は人々の記憶に焼き付けられるはずだよ」

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スウェーデン版「ミレニアム」シリーズでブレイクした女優ノオミ・ラパスが、ヒロインとして出演。彼女にとっては、キャリア初のハリウッド大作となった。ホームズ&ワトソンと戦いをともにする勇敢な女ジプシーに扮したラパスについて、「本物のジプシーの女性と友だちになって、家にも招待されていたよ。しばらく一緒に暮らして、彼女たちの言葉や文化、ダンスを学んでいたね」。クライマックスでは、雨のように降り注ぐ敵の銃弾をかわしながら、3人が冬枯れの森のなかを命からがら疾走する様子が、スローモーションで迫力たっぷりに描かれている。

「クランクインの前に、ガイからそのシーンの視覚効果について説明はあったけれど、出来上がった映像は想像を超えるスケールだった。何100人もスタッフがかかわっていたし、実際、撮影に時間もかかっているんだ。巨大なレールを敷いて、特別なカメラも使っていた。そんな状況を見ているだけで、これはすごいシーンになると直感したけれど、ガイが頭の中でここまでのアイデアを持っていたとは思いもよらなかったよ。大興奮したね」

今回、娘のアイリスちゃん、息子のルディくんと一緒に来日したロウだが、「彼らも心から映画を楽しんでくれたよ。僕が出演しているからというわけではなく、純粋に作品を気に入ってくれたんだと確信している。ワトソンを見て、ときどき笑っていた」という。「もっと続きを見たいと言ってくれたから、つまりそれが彼らの評価だと思う」と、満足げな表情を見せていた。

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