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ゾンビアス

劇場公開日 2012年2月25日
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まさに、あ”ウン”の呼吸

「片腕マシンガール」や「富江アンリミテッド」など、奇抜な設定の中に潜む恐怖、楽しさ、美しさを「こそり」と表現する作品を作り続ける井口昇監督が、子役として活躍してきた中村有沙を主演に迎えて描く、相変わらずのエキセントリックアクション作品。

井口昇と、西村喜廣。「富江アンリミテッド」について書いた際に、この二人の映画人が組んだ作品には、気を付けろと説いた。こいつらは、徹底的に壊し、汚し、そして生み出すと。

恐怖、JAPAN、風習。日本人が歩んできた歴史の中で自然と作り上げてきた「常識」を、改めて奇妙奇天烈な設定の中で叩き壊し、その意味を問いただす。その芸術として極めて真っ当な挑戦者の先頭を無駄に疾走する二人が挑む、本作のテーマ。

それは、「女子高生」と「ウン〇」である。

鬱蒼とした山奥の密林。大した設定も与えられていない登場人物達が訪れた目的は、森に住むという寄生虫を食べて、痩せるため。だが、たどり着いた村はウンでもない・・じゃなくて、とんでもない「ウン〇」まみれのゾンビがはびこる、危険地帯だった。

多くの芸術家が、純粋無垢、清純の象徴として作品に取り入れてきた「セーラー服」。それは特異な存在感を放ち、いつでも一部のオジサマ、オニイサマ達を虜にしてきた。クールジャパンの発展を陰で支える、重要な要素としての意味合いも強いアイテムである。

その可憐なアイコンに、井口と西村は勇猛果敢に「ウン〇」をぶちまけた。「無垢」な世界とは正反対の、まさに「汚物」のトップランナーである。果たして、その目的は?「女子高生、実は汚いんだぜ!目を覚ませ!」とオジサマ、オニイサマに警告するためなのか!!

だが、本作を鑑賞すれば、その勘繰りは大いに間違っていると気が付く。「ウン〇」まみれのモンスター劇場が展開されていても、決して作り手が求めているのは「お下劣映画」ではない。確かに、「もう、止めておくれよ。ご飯がまずくなるわ」な描写のまき散らしだが、その世界を支える女性が本当に、美しい。

顔立ちはもちろんのこと、その体のバランス、品位、魅力が画面一杯に花開く。「ウン〇」のインパクトを軽々と蹴散らす美女オーラが物語を彩る本当のテーマだと、容易に理解できるはずだ。

そう、これまで徹底して既存のイメージを作品を通してぶっ壊してきた作り手が本作で挑んだのは、「女子高生」という最強のアイコンの可能性の追求。

「片腕マシンガール」でも取り上げた無垢のシンボルに、大いに力強さと魅力を感じたのだろう。「ウン〇まみれでも、オシリ丸だしでも、やっぱり女子高生は格好良い!」そんなヒネクレたメッセージを、画期的な映像技術を駆使して私たちに提示してくれる。何せ、あんなもので人を飛ばしてしまうのだから、人間の想像力は呆れるばかり・・おっと、素晴らしい限りだ。

扱うテーマが下劣の極みのため、鑑賞を尻込みしていた方も多いだろう。だが、それは惜しい、惜しい、勿体ない!「女子高生」のもつ無限の力強さ、マイナスを吹き飛ばす魅力を逆説のもと示す意欲的な作品。その創作のベクトルを一致させて情熱がほとばしる二人の映画人。まさに、長年の映画作りで培った「あ”ウン”」の呼吸が光る一品である。

ダックス奮闘{ふんとう}
ダックス奮闘{ふんとう}さん / 2012年9月3日 / PCから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  笑える 興奮
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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