「知的好奇心を刺激される実験作」ブリューゲルの動く絵　arakazuさんの映画レビュー（感想・評価）

フランドルの画家ピーテル・ブリューゲルの絵画「ゴルゴダの丘への行進」に描かれた市井の人々が映像となって動く。まさに“動く絵”である。背景は絵画のそれで前景は市井の人々に扮した役者が実際に動く事で、まるで観客を絵画の中に紛れ込んだような不思議な感覚に誘う。こんな経験は初めてだが、残念ながら私はブリューゲルの名前と作品は「バベルの塔」くらいしか知らなかったので、観ている途中で、この作品を観るには知識が足りない！と、とても歯がゆかった。映像を観る前に、まずは、この絵をじっくり観ておきたいし（出来れば、ブリューゲルのほかの作品も）、ブリューゲルについて、そしてその時代についてもある程度は知識を持っておきたい。この作品と一緒にブリューゲルとその作品についてのドキュメンタリー（があれば）を観られるといいと思った。ルーブル美術館で上映されたというのも納得。いい企画だと思う。