劇場公開日 2012年11月3日

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「文学的な脚本+美しい景色+バラエティに富んだ役者陣=こってりすぎ?」北のカナリアたち 藤飲み屋焼きそばさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5文学的な脚本+美しい景色+バラエティに富んだ役者陣=こってりすぎ?

2014年2月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

幸せ

 皆さんは「藪の中」という芥川龍之介の短編小説をご存知だろうか?私も大学の授業で少し扱った程度だが、ある事件に関する色々な人の証言が書かれていて、最終的にはイタコに乗り移った被害者の声まであるという中々趣向の凝らした作品である。
 この映画のストーリーはまさしく現代版「藪の中」であり、分校の先生であった川島はる(吉永小百合)はかつての生徒であった鈴木信人(森山未來)に殺人の容疑がかかっていることを知り、かつての生徒に聞き込みをしていく内に、分校時代のある事件の真相が見えてくる。
 脚本が文学的であり、舞台である北海道の美しい風景を撮影・木村大作が最高のスケールで撮影している。さらに、吉永小百合から森山未來までバラエティに富んだ実力派が名を揃えており、見所たっぷりである。しかし、それゆえに本編の時間だけでは処理しきれないため、何回も見るかどこかに焦点を当てて見ることをおすすめする。とは言ってもスタッフも大御所が多く、損はしない作品であろう。

藤飲み屋焼きそば