劇場公開日 2012年2月4日

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「少しじれったかったけど、雰囲気には好きな映画でした」人生はビギナーズ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5少しじれったかったけど、雰囲気には好きな映画でした

2016年9月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

萌える

いい映画だったなとは思いつつも、主人公のじれったさに終始もどかしさを感じた作品でもありました。
メラニー・ロランと言う極上の美女を前にしながら、一体何してんだか・・・(苦笑)
でもまあ彼の幼少期から過ごしてきた過程を丁寧に見せられると、そうなるのも妙に納得ではあったのですが。
ただ丁寧なんだけど、その世界観に入り込んだらまた違う時系列へな展開が繰り返されたこともあって、もう一歩感情移入できずなところは多分にありましたかね。
雰囲気的には好きな映画だったんですけどね、見せ方に関しては若干微妙だなと思ってしまった作品でした。

しかし劇中のように父にゲイだとカミングアウトされたら、どう言う心境に陥るのでしょうかねぇ・・・。
私は別にゲイに対してそれほど偏見はないと思っていましたが、自分にこの映画のシチュエーションを当てはめて考えたら、ショックどころではないかもしれません。
カミングアウトした方はスッキリ人生を謳歌できそうですが、された方は主人公のようにじれったい男になってしまうのも無理はないのかも。
しかも母が死んでからそう言われたら、両親は愛し合っていなかったのか、そしてその子供の自分って・・・と落ち込むこと間違いなしでしょうしね。

ただ本来ならゲイの父の姿はあまり見たくないものですが、あのクリストファー・プラマーの満面の笑顔を見せられたら、嬉しいと言うか羨ましいとさえ思えそうで、モヤモヤした感情はある程度吹き飛びそう!
クリストファー・プラマーはアカデミー賞も納得の演技でした。
一度しかない人生ですもんね、やっぱり人生は謳歌しないと損だなと教えられた作品でした、でもなかなか出来ないのもまた人生なんですけど・・・。

しかし主人公を演じたユアン・マクレガーは、じれったいけど母性本能をくすぐるような役が本当によく似合いますね。
相手役のメラニー・ロランも、不思議ちゃん的極上の美人役が物凄く嵌っていたと思いました。
ただメラニーが演じたアナのバックボーンがあまり語られていなかった分、感情移入度は薄めでしたけど。
それと犬のアーサーもナイス助演、犬と人間のそれぞれ一方通行な会話の見せ方が何とも絶妙でしたね。
人生はいくつになっても始められる、やり直せる、時系列の見せ方に問題はありましたが、基本的にはいい映画でしたねぇ。

スペランカー