劇場公開日 2012年2月3日

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ペントハウス : インタビュー

2012年2月2日更新
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エディ・マーフィ、原点回帰でつかんだ確かな手ごたえ

エディ・マーフィといえば、最近では特殊メイクを駆使した「ナッティ・プロフェッサー」や人気アニメシリーズ「シュレック」のドンキーの声などの影響で、ファミリー映画のイメージが強いかもしれない。しかし1980年代は、マシンガントークを繰り出すスタイリッシュなコメディ俳優として人気の絶頂にあった。人気監督のブレッド・ラトナーは、「48時間」や「ビバリーヒルズ・コップ」などマーフィ作品のファンを公言しており、その影響は「ラッシュアワー」シリーズを見れば明らかだ。最新作「ペントハウス」で、ラトナー監督はあこがれのマーフィを起用したばかりか、かつて得意としていた口八丁手八丁のキャラクターを演じさせることに成功した。原点回帰を果たしたマーフィに、物語の舞台となった米ニューヨークで取材を敢行した。(取材・文/小西未来)

(C)HFPA
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——もともとあなたのアイデアがきっかけで、「ペントハウス」の映画企画がスタートしたそうですね。この作品では格差社会という、いまでは非常にタイムリーな話題が描かれていますが、「ウォール街を占拠せよ!」などのデモ活動が起きると予見していたのでしょうか?

「いや、格差うんぬんの部分は僕のアイデアにはなかったんだ。不満を抱える従業員たちが、力を合わせて自分たちが勤めるビルから何かを盗もうとするっていうのが僕のアイデアだった。別の要素はプロデューサーのブライアン(・グレイザー)と企画を温めていくうちで出てきたものなんだ」

——では、まったくの偶然だと。

「いや、タイムレスなストーリーだからだと思う。金持ちに搾取されている善良な労働者たちが、自らの力で立場を逆転させようとするというストーリー展開は、昔からある。それこそ僕が初期に出演した『大逆転』なんかもそのパターンだったしね」

(c) 2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
(c) 2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

——あなたが口先だけ達者な役柄を演じるのは久々ですよね。

「それこそ、この映画にひかれた理由なんだ。ぼくはこういう映画からずいぶん遠ざかっていて、最近ではストリート育ちの口先だけ達者なキャラクターを演じる機会がなかった。久々に演じてみたら、とても新鮮だった。なにより面白いのが周りの反応だね。『おまえ、すごい面白いじゃん』とほめられるんだけど、こっちとしては数10年前に同じことをやっていたんで苦笑するしかない(笑)」

—-ベン・スティラーとの共演はいかがでしたか?

「ぼくはベンの大ファンで、ずっと前から共演したいなと思っていたんだ。だから今回実現して、とてもうれしい。ブライアンは素晴らしいキャストをそろえてくれたと思うよ。それぞれのキャストに見せ場があるようになっている。個人的には、マシュー・ブロデリックと共演できたのもうれしかった。彼とはまったく同世代で、ぼくは彼の映画をずっと見て来た。だから、彼のような素晴らしい俳優が現場で役作りするさまを見学できたのは、本当に刺激的だったよ」

——この作品を含め、あなたはプロデューサーのグレイザーと組むことが多いですが、その理由はなんですか?

「 ブライアンっていうのは、僕が出したアイデアを常に素晴らしい形に発展させてくれる。何か提案すると、それを脚本にして、映画化につなげてくれる。最高のパートナーだよ」

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