劇場公開日 2012年10月6日

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「北野対西田」アウトレイジ ビヨンド Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0北野対西田

2014年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

怖い

興奮

総合80点 ( ストーリー:80点|キャスト:90点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 前作に引き続いて大量の人が実にあっさりと人目に触れぬ場だけでなく公共の場でも簡単に死んでいくのはやりすぎと思う。南米の麻薬組織ならともかく、こんなことを日本でしていたらただではすまない。前作も作品自体は気に入ってたけど、この部分が気になって減点した。もっと現実感のある殺しの場面をやってくれたら良かったのにと思うが、これがこの作品のやり方なんだと思って割り切って観れば、それほど今回は気にならなくなった。
 しかしみんなが自分のことだけを考えながら、仁義も何も無く好き勝手に好きなことと悪いことをやる続けるのが前作同様に潔くていい。暴力団を美化するのでもなく格好良く描こうとするのでもなく、悪人たちが勢揃いして熾烈な食うか食われるかの潰しあいをする様に痺れる。周りにいるのは自分にとってどんな使い道があるかしか価値観がないようにすら見える。花菱会の悪巧みにも感心した。

 暴力描写は北野作品の特徴だが、自分としてはあっさりと人命を奪っていく無機的で機械的に見える殺しの場面よりも、殺しにはならない暴力描写のほうが怖くて良いと思ったし、それ以上に役者が面と面を突き合わせて言葉を叩きつけ凄みを利かせている場面の出来が良かった。
 中でも一番気に入ったのは、西田敏行と北野武が花菱会で迫力のある怒鳴りあいをするところ。相手を自分たちの都合の良い駒にしようと圧力をかけながら追い込んでいく西田と、山王会と戦うための協力を期待して来たのに逆に袋小路にはまってただ「馬鹿野朗」を繰り返す北野のやりあいが怖い。「なめとんかこらっ!」と言われて「なめてねえよ、馬鹿野朗っ!」ってどんな返しだよ。西田敏行として素のままテレビ番組に出ている姿とも、普段演じている人情味溢れるとぼけた人の良いおじさんとも全く異なる、ヤクザ幹部役を本物のような迫力で演じて、これが同一人物とは思えないほどに役に染まっていた。西田敏行はいい役者だとつくづく感じた。私は知らない役者だったが、西田の隣にいて凄んでいた塩見三省も凄かった。本物の極道にしか見えなかった。その他の役者も迫力があった。悪巧みばかりする全員悪人ということ以外にも、この役者たちのヤクザ像の演じ方がとても気に入った。

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Cape God