不撓不屈

劇場公開日:

解説

1人の税理士と国税庁による7年間にも及ぶ闘争「飯塚事件」を題材にした高杉良の同名ベストセラーを、「次郎物語」の森川時久監督が映画化した社会派ドラマ。会計事務所を営む税理士・飯塚毅は、顧客である中小企業の経営者たちに勧めていた節税対策を国税局に否定され、脱税指導の嫌疑をかけられてしまう。不撓(ふとう)不屈の精神と家族に支えられて、真っ向から権力に闘いを挑む飯塚だったが……。

2006年製作/119分/日本
配給:角川ヘラルド映画
劇場公開日:2006年6月17日

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映画レビュー

4.0大企業に勤める人以外は必見

2019年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 またもや高度成長期の物語。輝かしい日本企業の活躍の裏にはこうした事件が隠されていた!知らなかった・・・

 貴乃花が大関推挙伝達式において「不撓不屈の精神で」という口上によってニュースになったが、この「不撓不屈」という言葉は流行語大賞には選ばれなかった。しかし、皮肉なもので2年後には宮沢りえの「すったもんだがありました」が見事流行語大賞に選ばれた。そんなこんなでこの映画は1人の税理士が国家権力である国税局と対決する実話に基づいた物語。国税局といえば『マルサの女』を思い出しますが、この「マルサ」という言葉は1987年に流行語大賞に選ばれています。

 『マルサの女』を観て国税局のかっこよさに憧れた人も多いでしょうけど、この『不撓不屈』を観ると考えがガラリと変わるはずです。大企業を優遇した税制、中小企業イジメ。時代は高度経済成長期であるため、弱い者から税金をふんだくろうったって、全体の税収からみれば微々たるものなんです。脱税はさすがに許されないことですが、合法的な節税であれば問題ない。それを国税局は税理士法改正のために反抗する者を脱税者として排除しようとする。その横暴なやり方に反旗を翻した男、飯塚毅が目をつけられることになった・・・

 全体的に飽きさせることのない展開で、迫力ある映像もないしアクションだってもちろんない。弱者のために正しいことをやっているんだという主人公の信念に心を揺すぶられて、不当な捜査に怒り震えるといった心的迫力が全てなのです。国税の嫌がらせのため離れていく顧客や不当逮捕のためやむなく退職する従業員にも心を痛め、相手を貶めることを潔しとしない飯塚に惚れ惚れしてしまったくらい。う~ん、よかった。大企業に勤める人以外は必見かも。

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kossy
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