劇場公開日 2012年7月14日

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「マコノヒー復活の作」リンカーン弁護士 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5マコノヒー復活の作

2014年3月9日
PCから投稿

楽しい

弁護士、ミック・ハラー。
決してエリートじゃない。普段はチンピラ達の事件を担当して小金を稼ぐ。
そんな弁護士の所へ、金持ちのお坊ちゃんの事件が持ち込まれ、話は予想外の方向へ展開していく…。

派手なアクションがある訳でもない。社会の巨悪を倒すっていう壮大な話でもない。
だが、何故だかとても面白い。

ちょっと古臭い雰囲気がイイ。昔のテレビシリーズ観てるみたいな感じ。
八方塞がりの主人公、どう決着をつけるんだーとハラハラさせながらラストまで引っぱる。

主人公の弁護士演じるマコノヒーがイイ。
弁護士という立場上、法廷では感情を表に出さない。が、観客は彼がハラワタ煮えくり返っている事がちゃんと分かる。押さえているけど、上手い。

その他、マリサ・トメイ、メイシー、ジョンレグ、マイケル・ペーニャなど、共演陣も渋くて豪華。運転手役のローレンス・メイソンも、なかなかいい味。



2011年、本作に出るまで、マコノヒーは低迷していた。2年くらい映画に出てなかったと思う。似たような役ばかりくるのでオファーを断っていたらしい。本作出演後、彼は怒濤の快進撃を見せ、『ダラス〜』ではアカデミーも取った。本作は、マコノヒー復活のきっかけとなった作品の一つなのかもしれない。
(本作と全くテイストが違うが、マコノヒー2011年の出演作『キラー・スナイパー』での怪演も面白かった。)



個人的にちょっと残念だったのは、この『リンカーン弁護士』、最初はトミー・リー・ジョーンズが監督するとアナウンスされていた。マコノヒーが出演を決めたのはそこらへんにも理由があったのではないかと思う。
トミリーの監督作(『メルキアデス〜』『The Sunset Limited』)が好きなので期待していたのだが、気付いたら別の監督さんになっていた。トミーリー版の『リンカーン弁護士』もちょっと観たかったなあと思う。

そんな個人的な願望はともかく、本作、なかなかの佳作だったと思う。

小二郎