劇場公開日 2011年9月23日

「最後が雑に感じた…」モテキ patako55さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0最後が雑に感じた…

2011年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

モテキは『テレビドラマとして』素晴らしい構成とキャストでした。
短い時間でのテンポの良さ、選曲、カメラ割、画面構成…。いろいろな面においてテレビのエンターテイメント性をもろに発揮していたと思う。役者、配役もすべてはまり役で最高でした。

それを期待して行ってしまいました。

結果、とても残念だけど映画はやってほしくなかった、というのが感想です。
2時間の映画にするとあまりにも陳腐になってしまっている。ドラマの高揚感のままで終わって欲しかった。映画は構成が雑に感じました。カラオケ音楽に頼った時間の穴埋めと、最後の展開のあり得なさも納得できないです。無理やり映画化する必要はなかっただろうに、と思ってしまいました。

女性なので、みゆき(長澤まさみ)の気持ちはよく分かるんです(途中までは)。

あの状況での、寂しさと苦悩と愛情の渇望とやるせなさと。彼のそばに居たいから、彼には本当の自分の気持ちが正面から言えない、そして自分でもその状況がベストでないと思っているが、どうしていいかわからない。
そんな時、男として魅力は薄くて全然好きになる対象にならないけど、自分のことを好きになってくれる男がそばにいたとき、安心感や愛情の穴埋めを求めてあんな行動をしてしまう。そして、彼とは違ってストレートに愛情をぶつけてくる不器用なカッコ悪い男の真っ直ぐさに少し惹かれ動揺してしまう。

そこまではすごくよくわかるんです!
心の変化とか、行動とか、駆け引きとか、そういうのが。

でも、最後のあの展開では、「あなたじゃ成長できない」と言うような上昇志向の高い女が、そこまでの言葉をぶつけた相手(幸世)になびくことは絶対にないです。そんな言葉を言った時点でその彼のことはどうでもいいんです。そんな言葉を投げたら男として相当傷つくのは分かってるのに、そこまでのことを言ってしまうのは、相手がウザくて切羽詰まってて完全に終わらせる言葉を投げる時です。

だから、最後のあのシチュエーションで幸世が向かって来たら、やっぱり全力で逃げます。追いかけられたら相当キモイです。怖いです。そして、半ばストーカーの彼とのハッピーエンドなんてないです、ないです。

ストーカーと決別した後の現実は今の彼と関係を持ち続けるでしょう。でも彼はまだ奥さんと別れたわけではないのだから、女として正面から愛されたいという心理的欲求は満たされず、また幸世以外のどうでもよい男と同じようなパターンを繰り返してしまう。
それが素直で現実的な展開です。

時間が取れなかったからか分かりませんが、最後がえいやで終わっている感じで、急展開で雑すぎます。心境の変化がついていけません。音楽挿入(カラオケ)の時間を減らして最後をもう少し丁寧にしてほしかったです。

patako55