劇場公開日 2011年2月19日

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男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW : インタビュー

2011年2月7日更新

濃厚なドラマとスタイリッシュなアクションで、それまでの香港アクション映画のスタイルを一新させた傑作「男たちの挽歌」が、舞台を韓国に変え、「男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW」として再覚醒を果たす。チュ・ジンモ、ソン・スンホンほか韓国の人気俳優によって繰り広げられた熱いドラマを、オリジナル版の監督で、今作では製作総指揮を務めたジョン・ウーはどう見たか?

ジョン・ウーも太鼓判
「オリジナル版で、私が兄弟愛をうまく扱えなかったことが悔やまれる」

オリジナル版の監督を務めたジョン・ウーは、今回、製作総指揮に名を連ねる
オリジナル版の監督を務めたジョン・ウーは、今回、製作総指揮に名を連ねる

「『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』は、とても情緒的だ。オリジナル版『男たちの挽歌』は、人の真の感情──兄弟愛や友情、兄弟と友人のための犠牲精神といったものをテーマにしている。ソン・ヘソン監督のシナリオには、そのような兄弟愛と友愛などの感情がまるごと含まれており、その中に新しさもあった」

86年のオリジナル版「男たちの挽歌」を監督し、今回は製作総指揮として名を連ねるジョン・ウーは、香港ノワールの金字塔として輝く同作のリメイクにゴーサインを出した理由をこう語った。“単なるアクション映画”としてしか認識されていなかった数々の国からのオファーを蹴り続け、シリーズ第1作が登場して以来、実に24年ぶりの初リメイクである。

オリジナル版以上に濃厚な“男たちのドラマ”が展開
オリジナル版以上に濃厚な“男たちのドラマ”が展開

リメイクにあたっては、「ヘソン監督のスタイルを尊重してあげたかった」という。そして、「(『男たちの挽歌』が)監督独自の創作物として誕生することを願ったし、たとえ原作があっても、新しい作品として生まれ変わることを期待したから」という思惑はズバリと当たる。ウーは、「私も初めてこの映画を観たとき、感動して涙を流した。それもオリジナルの『男たちの挽歌』を忘れるほどに」と驚きを隠さない。

「『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』が、映画の中心に兄弟愛を据えたことに驚いた。主人公兄弟が脱北者であるという設定にもびっくりしたね。オリジナル版を撮ったときに、私が兄弟愛をうまく扱えなかったことが悔やまれるよ(笑)。その私ができなかったことを、ヘソン監督は非常にうまくやってくれたと思う。過去には(ガス・バン・サント監督の)『サイコ』のように、場面のひとつひとつをヒッチコックのオリジナル作そのままに撮ったものもあるけれど、今回の作品はオリジナル版のエッセンスだけを利用して、独創的なスタイルで、ヘソン監督が持つ人生観と感情まで表現した作品だ。とても成功していると思うね」

オリジナル版でチョウ・ユンファが演じた役に 今回扮したのはソン・スンホン
オリジナル版でチョウ・ユンファが演じた役に 今回扮したのはソン・スンホン

オリジナル版「男たちの挽歌」で監督のジョン・ウーとともに輝きを放ち、一気にスターダムへと駆け上がったのは、チョウ・ユンファだった。そのユンファが演じた義兄弟マークに当たるヨンチュンに扮したのは、本国のみならず、日本でも高い人気を誇るソン・スンホン(「氷雨」「ゴースト もういちど抱きしめたい」)だ。彼の姿は、原作者の目にはどう映ったのか?

「チョウ・ユンファよりもソン・スンホンの方が、少し幼めに表現されたんじゃないかな。オリジナル版でのユンファは非常に男臭く、ヒロイックなイメージが強烈だったように思うね。そうした点はもちろん踏襲されていると思ったが、スンホンはもう少し現代的で、はつらつとしたイメージを受けた。大胆でエネルギッシュ、近ごろの若者たちの姿だ。今を生きる人の目で見れば、きっと“ヨンチュン”の方がより現実的なキャラクターに見えるだろうね」

オリジナル版の監督、ジョン・ウー。彼は「足りない部分はまったくない」と、「男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW」に太鼓判を押した。

ジョン・ウーが語るリウェイク(再覚醒)版「男たちの挽歌」の見どころとは!?

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