劇場公開日 2023年8月26日

「ミジャの心情」ポエトリー アグネスの詩 メイばばさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ミジャの心情

2016年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

今まで見た韓国映画の中で一番好きです。とても新鮮でした。
題材は残酷ですが、ホエムを愛する主人公はいつも身だしなみよく、好感もてますし、
怒りを前面に出さず、悩みも苦しみも自身で飲みこんでいく様は少し歯がゆい程です。
アルツハイマー病の症状はどんどん進んで行くのかなと思いきや、そうでもない、
娘との確執があるのかなーと先読みしても違っている。次々と裏切られていくストーリー展開も面白い。
孫を責めた後でのふたりでバトミントン、捕まった時もバトミントン。

ミジャが被害者の母親に会いに行きまるでポエムの様な話をし、謝罪をしなかったのはアルツハイマーのせいか、
言い出せなかったのか、その後加害者の祖母だと解ってもアグネスの母親が責めなかったのは何故か?
この2つの場面すごくいいです。

ヘルパーとして働いている所の爺さんとのやり取りは軽妙、
求めに応じる部分は何となく予測でき、これは去年観た「やわらかい手」と同じ心情だと感じました。

いろんな場面で彼女の気持ちを理解したかったし、わたしも同じと思いたかったけれど
それも叶わずそれが又良いです。
最後の部分ミジャは何処へ・・・。やはりミジャは自殺してしまったのかもしれない、そう思いました。
一番大切な可愛い孫をこんな事をする、しかも少しも反省していない子に
育ててしまったという重い罪の意識と誰にも言わないアルツハイマー病。
自分に罰を与える事で生きている娘と孫に試練を与えたのではと思います。
そしてミジャはあちらの世界に行き、美しい詩をアグネスに聞かせ、詫び、献身するのです。

メイばば