SOMEWHERE インタビュー: ソフィア・コッポラ監督「常に自分の経験に基づいた脚本を書きたい」

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SOMEWHERE

劇場公開日 2011年4月2日
2011年3月28日更新

ヴァージン・スーサイズ」「ロスト・イン・トランスレーション」「マリー・アントワネット」──瑞々しい感性にあふれる空気感でガーリー・カルチャーを牽引してきたソフィア・コッポラ監督が、「SOMEWHERE」で第67回ベネチア映画祭金獅子賞を受賞する快挙をなし遂げた。4月2日に公開を迎える同作について語った。

ソフィア・コッポラ監督 インタビュー
「私は、常に自分の経験に基づいた脚本を書きたい」

クエンティン・タランティーノが審査委員長を務めた第67回ベネチア映画祭で金獅子賞を受賞 クエンティン・タランティーノが審査委員長を務めた第67回ベネチア映画祭で金獅子賞を受賞 (C)Kazuko WAKAYAMA

「私はいつも、どこか遠くのことを書かないといけないと感じるんです」

パリとロサンゼルスに居を構えるソフィア・コッポラは、東京(「ロスト・イン・トランスレーション」)、パリ(「マリー・アントワネット」)の次、ロサンゼルスが舞台となる物語をパリで書いたという。その理由を「距離を置くことで、大局的に見られるようになる」と明かし、本作「SOMEWHERE」では、「LAのポートレートを描きたいと思った」と語った。

撮影中のソフィア・コッポラ 撮影中のソフィア・コッポラ [拡大画像]

そんなLAの物語に登場するのは、スティーブン・ドーフ演じる、俳優ジョニー・マルコ。大きな成功を手に入れ、ハリウッドに実在する伝説的なホテル“シャトー・マーモント”でセレブらしい生活を送りながらも、どこか空虚な毎日を送る彼が淡々とスクリーンに映し出されていく。疎外感や孤独を感じさせる彼のキャラクターは、「ロスト・イン・トランスレーション」の全体を包む雰囲気とも共通する。

「私は、どちらの道に進もうか決めようとしている、転換点にいるキャラクターが好きなんです。多くの若者が有名になることを夢見ているけど、結局、有名になることで充足感は味わえるんでしょうか。世の中には面白いことがたくさん起きていて、静かに自分自身を見つめる時間を持つことが非常に難しくなっています。ジョニーは、自分がこれからどのような人生を進んでいくのかを選択する時期に来ていて、それは誰もが共感できることだと思います」

そのジョニーの前に、別れて暮らす娘のクレオ(エル・ファニング)が現れる。夏の数日間、彼女を預かって過ごす日々は、ジョニーとクレオ、父と娘にとってかけがえのない時間となっていく。

カメラが回るころには父と娘の関係がよりリアルになるように、ソフィアはドーフとファニングに対して、撮影に入る前に一緒に時間を過ごして欲しいと頼み、それは明らかに功を奏した。これは彼女が、父であり、偉大な映画監督であるフランシス・フォード・コッポラから学んだコツでもあった。

「スティーブンにエルを学校まで迎えに行ってもらったんです。色々なことを一緒にやることで、2人の間に絆ができましたね。そのおかげで、撮影がはじまるころには2人ともリラックスすることができました。キャラクターたちにニセの思い出を作らせることで、1週間前に会ったばかりの者同士という感じはしなくなると思ったんです。これは、父から学んだことですけど。みんなでボウリングに行ったり、スティーブンはエルのバレーボールの試合を観に行ったり。普通の父親と娘が一緒にするようなことをしてもらって、その関係が映画にも反映されるように」

まるで友達のような淡い絆を深めていく父ジョニーと娘クレオ まるで友達のような淡い絆を深めていく
父ジョニーと娘クレオ
[拡大画像]

セレブリティの娘。「友人の娘をモデルにしている」と明かしながらも、エルは、ソフィア自身を投影しているキャラクターでもあると彼女は認める。「ディズニーランドの駐車場にヘリコプターで着陸したこともあります」という、普通の子どもが見られないような“父との冒険の思い出”も、しっかりと劇中にその記憶が織り込まれている。

だが、彼女は2人の娘を持つ母親になった。

「私は、常に自分の経験に基づいた脚本を書きたいと思っています。娘を産んだ後、1年間休養をとって彼女とずっと一緒にいました。そのとき考えていたことは、親であることがどれほど自分に影響を及ぼすか、いかに自分の考え方を変えるか、ということ。それをストーリーの中に織り込みたいと思ったんです」

SOMEWHERE」は、いまのソフィアだからこそ撮れた、“娘”の視線と“親”の視線を併せ持った作品なのである。

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