劇場公開日 2011年9月17日

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ラビット・ホラー3D : インタビュー

2011年9月13日更新
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満島ひかり、清水崇×C・ドイルが描く白昼夢ホラーで新たな魅力

今、最も注目される実力派若手女優の満島ひかりが、「呪怨」の清水崇監督の最新作「ラビット・ホラー3D」でホラー作品に初主演する。近年、映画、ドラマと公開作が目白押しの満島だが、その中でも本作は、現実と悪夢、妄想の境に存在する狂気を3Dで描く異色作。撮影監督クリストファー・ドイルの映像美の世界で、満島が新たな魅力を発揮する。(取材・文:編集部、写真:本城典子)

ホラー嫌いを公言し、特に日本のホラー作品は「じめじめした湿気とか念が強い気がする」と苦手意識を持っていたという。それでも「小さいころから、ちょっと不思議な絵本や奇妙な物語はすごく好きだったんです。子どもっていろいろ想像するじゃないですか。後ろを向いたらすべてがなくなるかもとか、お父さんとお母さんは本当は怪獣かもしれないとか……そういう、空想が好きだったんです」と、多感だったという幼少期について明かす。

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ラビット・ホラー3D」は、失声症のヒロイン・キリコの心優しい弟が、ある日ウサギをたたき殺して失そうする。キリコはひとりでその謎に立ち向かうが、思いもよらない場所から「恐怖の国」に迷い込んでしまう。ホラーではあるものの、登場人物の心の闇をおとぎ話のように幻想的に描いた物語に引かれ、出演を決めた。

「読んでいて不思議な気分にさせてくれる脚本で。悪夢だけど続きが見たくなる、白昼夢のような映画になればおもしろいなという思いと、撮影監督がクリストファー・ドイルだと聞いて、もしかしたらそういう映像が本当に映画で見られるかもしれないと思ったんです」

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 「恋する惑星」「花様年華」など、ウォン・カーウァイ作品に代表される詩的な映像で知られるドイルのカメラワークが、ダークファンタジーを際立たせる。「クリスの映像は独特で、とてもみずみずしいんです。それが3Dになることによって、空気が映像の中に含まれたりする感じがして、素敵だなと思いました。ガラスの中に水をいっぱい入れたスクリーンで映画を観ているよう。あるものもないように映るし、ないものもあるように映って、ウサギのぬいぐるみが感情を持って動いて見えたり、人間が人形のように見えたり……」と独自の表現で絶賛する。

今回、幼少期に大きなトラウマを抱え、言葉が出なくなってしまった女性を演じる。これまで、力のあるセリフで物語を引っ張っていくような作品にも数多く出演しているが、本作は全編を通してほとんどセリフはなく、恐怖、驚きや悲しみという感情を言葉を使わずに表現する。

「セリフがないことに対してはそれほど何も感じなくて、たとえあっても自分の言葉ではないから、ない役でもある役でも一緒なんです。ただ、言葉が話せないことによって、なんだか妙に落ち着いていたんです。自分の精神が安定して、耳とか嗅覚や視覚だとか他の感覚が長けてくるっていうのが、面白かったですね。とても冷静に演じていたと思います」

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インタビュー2 ~満島ひかり、清水崇×C・ドイルが描く白昼夢ホラーで新たな魅力 (2/2)
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