まほろ駅前多田便利軒のレビュー・感想・評価
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瑛太と龍平!
まず先に原作の文庫本を読んだ。カバーには映画化!と書かれた瑛太と龍平の顔。
読みはじめて1ページ目ですぐに、多田が瑛太だって確信した。
行天が登場するバス停ではキター!と思った。
三浦しおんさんはこの二人を思い描いてこの本を書いたわけではないだろうに、この二人しかありえないピタリとはまる配役。
多田も行天も物語の最初では能面のように表情がなくて、黒い穴ボコのような目をしている。
「親に虐待されて殺される子はいても、虐待した親を殺す子供が少ないのは何故だろう」っていう行天の昔のつぶやきは悲しくて心がヒヤリと凍る。
でも多田が依頼人の男の子に言う。「お前が望むようなものは親は与えてくれないよ、でもお前は自分が与えられなかったものを誰かに与えることは出来るんだ」
それを傍で穏やかに静かに聞く行天。
二人は互いが持ってるもの、手からこぼれ落ちるように失ったものを、見せ合いながら、けなしあいながら少しずつ柔らかい表情を見せてゆく。
その過程が愛おしいのは、瑛太と龍平が素晴らしいからだし、
多田と行天が物語の中で息づいているから。
惜しむらくは原作にある曽根田のばあちゃんが出て来ないこと、だから。。。
まほろの町に連れて行って貰う為に
ドラマも早くDVDにして下さい。
何なら映画ももうひとつ作って下さい。
多田と行天コンビ大好き♪
DVDレンタル開始してすぐ見ました♪
アヒルと鴨のコインロッカーと同じ
瑛太と松田龍平コンビ♪好きです\(^-^)/
そして、星さん役の高良健吾かっこいい♪
子犬を預かったり、
男の子を塾に迎えにいったり、
本当に何でも屋。
あんな便利屋が近くにいたらな(*^^*)
多田の温かさ、行天のあのなんとも言えない優しさ。
あったかい気持ちになったなぁ。
不思議な魅力のキャラ
私もドラマが気になって映画を観たクチです。
この小汚い二人のコンビが段々と過去が明るくなるに
つれて非常に魅力的に見えます。
ストリーが良いですね。
個性派の二人に意外性のあるストーリーでよしよし。
意外と効果音が効いていてドラマを際立たせていた。
瑛太は今までどちらかというと綺麗な役が多かったので
この汚れの役は面白かった、
松田龍平はイメージ通りのキャラそのもの。
この二人の掛け合いと対照的な背景が
面白さの妙となっています。
構えずに気楽に観れる作品でした。
人間臭い愛情に満ちている
三浦しをんの同名小説を大森立嗣監督が映画化。
「ゲルマニウムの夜」「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」など同監督の作品はなかなかに馴染み難いものが多いが、本作はすんなり見れる作品に仕上がっている。
(監督は父に麿赤兒、弟に大森南朋がおり、二人は脇役で出演もしている)
まほろ市の駅前で便利屋をしている30男、多田。偶然高校時代の同級生、行天と再会し、共に行動する事に…。
いわゆる男二人の友情モノだが、熱く固い絆というより、微妙な距離感があるというかユル〜い感じというか、所々スパイスが効いた脱力系バディムービーなのがユニーク。
真面目な多田=瑛太と掴み所が無い行天=松田龍平が最高!
「なんじゃあこりゃあ!?」「誰?全然似てない」…思わずニヤリとしてしまうコミカルなやり取りや、それぞれ抱える哀愁を滲ませ、その絶妙な好演が共感を呼ぶ。
特に松田龍平は独特の存在感や佇まいが偉大な父に似てきてとてもイイ!
便利屋に仕事を依頼してくる人々はワケアリが多い。
一家の夜逃げで大好きなチワワと引き離された少女。
チワワの引き取り手となった風俗嬢の家のドア直しと付きまとう男の対処。
親の愛情が薄い小生意気な少年の送り迎えと彼を苦しめるバイト。
大小様々な問題を解決していく様は、便利屋というよりお助け屋。ささやかな幸福と希望を運んでくる。
後半、ヤバい事態に巻き込まれた事をきっかけに、二人は図らずも過去と向き合う。
家族を失った多田と、家族を絶った行天。
本作では他にも家族に問題を抱えている者が多い。小生意気な少年も風俗嬢に付きまとうチンピラも。
皆、愛に飢えている。
愛したい多田と愛されたい行天、凹凸のように心にポッカリ空いた穴を埋め合う。
人間臭い描かれ方に好感。
じんわり心に染み入る良作。
多田便利軒はアルバイト募集中
まったく期待しないで、前知識なんにもなしで見たけど、
面白かった。
多田と行天のおかしなコンビ?
行天と中学以来、再開したことで、さまざまなトラブルに巻き込まれていくけれど、
そこかしこに「くすっ」となる笑いのエッセンスが満載で
最後まで楽しめました。
あんな便利屋さん、うちの近くにもほし~!!www
まほろの便利屋はスーパーマン
非常に単調で結局結論というものがないです。
が、
この単調な中の2人の絶妙な掛け合いは妙に気持ちよく
まったりと観るには最適な映画。
この2人、アヒルと鴨のコインロッカーでも競演していましたが、
こちらの映画では、あんなにどんでん返しもありませんので
安心して観ることができますよ。
「なんじゃ~こりゃあ~」「誰?、全然似てない」
映画「まほろ駅前多田便利軒」(大森立嗣監督)から。
異論がある方も多いと思うが、この作品を思い出すには
やっぱりこの会話だな、と数あるメモから選んだ。
軽トラックのフロントガラスをバット等で割られ、
思わず、主役の1人である瑛太さんが、松田優作さん風に叫ぶ。
「なんじゃ~こりゃあ~」
その様子をみて、もう1人の主役、松田龍平さんが問いかける。
「誰?、全然似てない」
それを受けて、真面目な顔しながら、瑛太さんが呟く。
「誰の真似でもない正直な気持ちだ」
このやり取りが、作品全体にかかっている雰囲気と似ていたから、
敢えて「家族の絆」を代表するシーンとして、選んでみた。
たぶん誰もが、ここでクスッと笑いをこらえているに違いない。
鑑賞後に、このシーンの話は絶対にしたくなるだろう、と思う。
映画でなければ、いやこのキャストでなければ、成り立たない笑い。
原作とは違う演出に拍手しながら、続編に期待したい。
素材はいいのに、ただ ただ かったるい
便利屋の多田は、真面目で受けた仕事はきちんとこなす性格。暗い過去を持つ経験から、時間の重みを知る。
対して行天は、いい加減だが、時折、物事の本質を突く。決して思慮深いのではないが、核心を突く先天的なものを持っている。
それでもいい加減で奇怪な行動を取る行天に、多田は翻弄され、しかもその危うさを放って置けないというのが、主人公ふたりの関係だ。
そこに“まほろ”の人々が絡む。バスが間引き運転しているのではないかと疑う頑固爺さんの岡だの、ヤクザの星といった厄介な人物の相手も便利屋の仕事のうちだ。
便利屋を中心に起こる小競り合いを描きつつ、架空の小さな町“まほろ”で生きる人々の、まったりしたあったかみを出す。それさえクリアしていればエピソードはなんでもありというのが、タイトル「まほろ駅前多田便利軒」の骨格だろう。
ところが、この基本部分が崩れている。人物描写といい台詞まわしといい、かったるいだけだ。“まったり”と“かったるい”は違う。
オープニングの音楽は雰囲気があるが、画ヅラが安直で芸がない。
もうひとつ、小競り合いの結末は人情味があるオチでなければ、“まほろ”のほろ苦い温かみが出てこない。そうして考えると、真に描きたい人物は行天ということにならないだろうか。
行天の奇怪とも思える行動が、実は物事の核心を突いていて、周りの人々が翻弄されながらも徐々に行天という人間を理解していくという本筋が見えてくる。
多田と行天では、行天が頭半分飛び出た演出が必要なはずだ。ふたりのキャスティングを見ても、ひとクセありそうで掴みどころのない雰囲気を持った松田龍平を行天に振ってある。松田の持ち味を充分に引き出したとは思えない。
岸部一徳ももったいない。こんな意味のない使い方をした映画は観たことがない。
かすかな温もりがじんわり
とりとめないようで、大きな痛みも小さなクヨクヨも、まとめて引き受けてくれる包容力が素敵でした。
かすかな温もりがじんわり残りました。
芯までは簡単じゃないかも、だけどギュッとしてあげたら、してもらったら、きっと温もってくるんだよって。
重くて出口も分からないような内容を含んでいながら、あのユルい空気。便利軒の二人を演じる瑛太と松田龍平の相性が抜群でした。
自由人を演じる松田龍平は本当にいいです、大好きです。あのプラプラ歩きが許されるのは、今のところ日本では彼だけじゃないかって気がします。
スリムクラブ的間合い
いい悪い、好き嫌いを別にして、個性的作品だ。
多田と行天の会話。スリムクラブ的間。小津より長い。
個人的には好きくないけど、悪くもない。
便利屋多田くん1年の物語。でも、ただの1年じゃなくて行天という嵐が吹き荒れた1年。
多田くんは飼い主が消えて押し付けられたチワワを捨てられない人間。
親から塾の迎えを依頼されたガキに「助けて」って言われたら、
ヤクの売人にも対抗する。デカには「いい気になるなよ」って言われるけど。
行天も人助けでわざと刺されちゃったりして。バッカジャネ。
嵐は過ぎ去るのみで戻ってこなくていいのに。
登場人物けっこう多いけどみんなキャラがたってる。
何度観ても違う角度から観れる作品かもしれない。
大事な人と一緒に観に行ってもらいたいです。
おもしろかった。
普段はあまり映画館に行かないのですが、
なんとなく行ってきました。
瑛太さんと、松田さんの演技はもちろん素晴らしい。
ストーリーも決して難しくなく、
一本筋が通っていて、見終わった後に、スッキリしながらも、
色々と考えさせられてしまう。
今の時代に良くある、単純明快で、何も残らないものではなく、
一生心に残るものだと思う。
この気持ちを大事にして行きたい。
大事な人と一緒に観に行ってもらいたいです。
監督の大森さん、素晴らしいです!!
ありがとうございました。
21世紀型人情映画の最高傑作だ!
この映画全体に貫かれているテーマは「人生、やり直しはできるよ、ただ
可能性は少ないけど。。。」って感じかな。
多田も行天も、ルルやハイシーも由良も凪子もシンちゃんも、みんな同じ
テーマの中で自分の人生を演じている。そして、この人たち、何かしらの
「傷」を持っている。ややもすると、諦めたくなるような人生のギリギリ
感が全員にある。だがしかし、まほろ(町田)という東京でも神奈川でも
ない「この街」はすべてを受け入れてくれる。
それは何故か?それは、まほろの街全体がもつ「懐の深さ=人情」ではなか
ろうか。
実にいい映画だった。配役も大変よろしい。久々の大傑作だ。
ただ、あまり世間には話題になっていない。しかし、それ自体がこの映画
らしいし、非常にまほろ(町田)っぽいのだ(笑)。
すべてが人情で流されて(許されて)しまいそうな緩さ(弱さ)、それが
「多田便利軒」なのだから。
愛することは、できる。
私のように原作を知らない人間は、
タイトルと出演陣をザッと見て、おそらく、のほほん映画だと思う。
最近、やや流行の?多くなった?一体何が言いたいんだ的作品。
でも本作はそれらとはまったく違う^^;
のほほんのようでいて、いい加減のようでいて、至って真面目。
描かれるテーマはズバリ、家族の絆。愛し愛されることへの賛歌。
二人の男の行動が、悲しく可笑しい人生を疑似体験させてくれる。
便利屋・多田(瑛太)と、転がり込んでくる行天(龍平)の過去には、
多田が行天にケガをさせた、というエピソードがあり、それを
やたらと行天が示唆する場面が多い^^;小指の思い出とか歌うしv
(なんじゃ!こりゃぁ~!→ぜんぜん似てねぇし。も笑えた)
しかしそこには「気にするな!」のメッセージがほろほろと流れて、
行天の行動がイヤミのようでイヤミでないことに気付かされる。
なぜ彼が突然、多田の前に現れたのかは不明だが^^;
誰かを思いきり愛したい多田には、格好の相手がその行天となる。
もともと便利屋っていう稼業は、誰かの役に立ちたい仕事だ。
それを全うすることで誰かに感謝され、自分のプライドも満たされ、
達成感を感じる。自分を必要とする存在を肌で確かめるように
コツコツと仕事をこなす多田に、行天はワザと難題を持ち込んで、
彼の心情をかき回す。世の中は思い通りにならないことだらけで、
信じていた相手に裏切られたり、親に虐待や無関心を向けられたり、
自分を絶望化させるには相応しい出来事が数多く起こるが、その
絶望から背を向けてしまうと、それは永遠にトラウマとなって残る。
もしそれらを何らかの形で転化させ、誰かを救うことができたなら、
過去の自分との対峙と未来の成長に繋がるかもしれない。
「俺みたいに誰にも愛されなくても、愛することは出来るんだよ。」
のらりくらりと言葉を交わす行天こそ必死に求めてきたように思う。
多田の過去も、行天の過去も、それぞれに悲しいことこの上ないが、
そこに焦点を集めるのでなく、子供や、風俗嬢や、イカれ親父など、
取り上げる人々がけっこう多彩。身内やゲスト出演?も多い^^;
(弁当屋の南朋、時刻表の麿、ヤクザの高良、ルルとハイシーなど)
おかしなエピソードに半笑いしつつ、血の繋がらない母親の愛には
めっぽう泣ける。ラストの(その後エピソード)写真にはほんわかする。
いい加減なようでいてそうでない生き方は、俗人間をこれでもかと
味わってきたから為せる業なのかもしれない。肝心なところでその
味わいが出せるのがいい俳優だと思うが、優作の息子・龍平には
やはり資質が備わっているように思える。歩き方といい着回しといい、
バカな態度や台詞をとっても、それを演じる上での気構えが伺える。
瑛太とのバランスも間のとり方も絶妙だった。シリーズで観てみたい。
(塾の子供!いいぞ!ある意味準主役だったしな~v成長して下さい)
やさしい男たち
私も傷心、友人も傷心。
ご飯を食べて、映画でも見に行くかとなって、たまたま時間が合ったのが、この映画。
心に沁み入る物語だった。
瑛太演じる多田も松田龍平演じる行天も一見、やる気がない。
ぼろビルの一室を事務所兼家として利用する多田も、破天荒な行天も、深い深い傷を負っている。そしてそこから、抜け出せずにもがいている。それを見せずに、やる気なさげに日々を過ごしている。
二人は深い傷を負っているからか、人に対してとても優しい。時には自分を犠牲にする。相手の痛みに寄り添うだけで、親切の押し売りをしたりはしない。それは人が背負う痛みをわかってあげられるからだと思う。
最後、二人が前を向いて歩きだせたのかはわからない。
でも、お互いがいる時間が続くことで、二人はやっぱり人にやさしくしながら、ゆっくりゆっくり自分の傷も治していけるんじゃないかな。
そういう希望が最後にちらっとみえる素敵な映画だった。
何かを諭すでもなく、痛みを見せつけるでもなく、やさしい男たちを通しての、なんともいえないヒーリング効果。
言葉にするのは恥ずかしいので、いかに瑛太と松田龍平がイケメンで絵になっていたかで盛り上がるだけだったけど、私も友達もなんとなく元気になって、前向きになって、映画館を出ることができた。
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