劇場公開日 2011年5月28日

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「2作目以降に期待できない」手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)

2.02作目以降に期待できない

2014年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

寝られる

手塚治虫の『ブッダ』を3部作として作る第1作目。
後に仏教の始祖ブッダとなるシッダールタが、シャカ国で生まれてから、出家するためにシャカ国を捨てるまで。

3部作とはいえ、そもそも原作は、シッダールタが出家するまでという本作のパートは、長いプロローグとして位置づけられる。本作の後に描かれるであろう中盤から終盤への伏線ばかりで構成されている。
それを、そのまま映画にしても作品として面白くなるはずがない。
原作では、そんな伏線ばかりで構成されている物語を、手塚治虫の緩急付けたマンガとしての構成力で何とか面白く読めるのだが、このアニメでは、そうした手塚らしさは排除しながら、単に原作のストーリーを追うだけでなっているために、はっきり言って1本の映画としては、あまりにも中途半端である。

その上、何よりも増して酷かったのは、エンドロールに掛かるテーマソングだ。いきなりX JAPANの甲高い声で違和感ありまくりなのだが、肝心のサビなどでちょくちょく英語が混じる。しかも最後の言葉が「Scarlet Love Song」という歌詞で映画が終わる。全くもってミスマッチ。稀に見る酷さだ。

第2作、第3作を見てみないと何とも言えないが、この1作だけを見たら駄作と言わざるを得ない。
3部作ならば、せめて次作に期待させる盛り上げも必要なはずだが、それすらもない。複数の仏教団体が製作後援に携わっているようなので、仏教の教典映画という位置づけなのかもしれないが、手塚治虫の名前を借りているだけの残念さである。

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