劇場公開日 2010年4月17日

「女性に観て欲しい“ある女性の禁断の愛”」ナチュラル・ウーマン2010 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0女性に観て欲しい“ある女性の禁断の愛”

2010年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

う~ん、この作品の内容だと
客層は男性中心になりそうだけど、
本当に観てもらいたいのは女性なんだろうなぁ・・・
〈 女性にしかワカラナイ別れがある 〉
これ今作の予告編終盤でスクリーンに映し出される言葉。
これが今作のすべてを表していると言っても過言ではありません。
『失楽園』の黒木瞳さんではないですが、
ビックネームが今作に出演していれば、
堂々と女性もつめかけるのでしょうが、
如何せん今作はコアなファンしか名前を
しらないであろうモデルとグラビア出身女優。
そうなると自然、
彼女たち目当ての男性ファンが集まりますし、
女優の知名度、映画の公開規模からして、本当に
観に来て欲しい人たちに、この作品は公開されていることすら届かない。
同日に公開された
『のだめカンタービレ』『アリス・イン・ワンダーランド』を
心の底から羨ましいと思うのは、まさにこのような瞬間なのでしょう。
◇   ◇
写真家の野村誠一さん初監督作品。
主演の亜矢乃さん、木下あゆ美さんは
写真集で一緒にお仕事をしたことがあり、
木下さんは野村さんが監督をやると聞き、
二つ返事でOKを出してしまったそうです。
プロの写真家の初監督作というと、
昨年に公開された宮沢りえさん主演の
『ゼラチンシルバーLOVE』が思い起こされますが、
あそこまでいかにもプロカメラマンと言った色使いや、
ある種独特なカット割りは用いられておらず、その辺は
自然体でスクリーンを見つめることができました。
それでもオープニングの撮りかたには
「おっ、なんだか写真っぽい!」と勝手に感じたんですけどね(苦笑)
話をザックリ記すと、、、
大学時代と社会人時代が交互に描かれます。
大学時代に激しい恋に落ちたのは同じサークルの女性。
彼女との恋と別れ。それが主人公容子にもたらしたものは・・・
R15指定が示すとおり、
女性同士のキスシーンがあります。
女性同士のSEXシーンもあります。
でも男性の自分が言うのもなんですが、
ちっともイヤらしくはありません。
SEXシーンが後に続くシーンの前ふりになっている部分もあり、
何度目かのシーンでは、観ているこちらの胸が苦しくなるほどです。
愛しすぎるがゆえに別れてしまう
愛しすぎるがゆえに怖くて逃げだしてしまう
愛しすぎるがゆえに胸が張り裂けそうになってしまう
そこにあるのは
女性同士でありながらも
純粋で繊細で一途な愛そのものでした。
☆彡     ☆彡
女性に観て欲しい
終盤に行くにつれ、
男性であることが、
恨めしくなりました。
これ、絶対女性だったら、
この、気持ち理解できるんだろうな・・・と。
作品の中身で
スポットを浴びている場面、
今作の公開規模からして、B級感は否めませんが、
なかなかどうして、わずか10日間で撮影したとは思えない、
濃密な作品に仕上がっていました(演技力は許してあげてネ)。
ナチュラル・ウーマン2010
こんな愛があってもいい
そう思うわたしが、そこに存在しました。
※星は女性目線になったつもりでつけてみました
 男性目線だと、女性心情理解が難解で3.0点になってしまうかな。。。

septaka