劇場公開日 2010年6月12日

「香水をつけすぎたような映画」FLOWERS フラワーズ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5香水をつけすぎたような映画

2010年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

親子3代の女系家族を描いたのはいいのだが、それぞれの生活はばらばらで、横の繋がりには殆ど触れず、縦軸を基調にしただけで、これといった強いメッセージがあるわけでもない。
「美しい日本女性」を題材にするのならば、もっと女性を個として掘り下げるべきだろう。年代を行き来して6人の女優を見せただけで、「美しい日本女性」を感じろというのは、なんとも乱暴な話だ。6人の女優も、婦人雑誌の表紙の変遷を見ているようなだけで、誰が誰の娘だったのかごちゃごちゃになる。
昭和40年頃の雰囲気を出したくて、小物を集めた努力は評価するが、こういうものって、写るかどうかわからないところにまで気を配るからプロの味が出る。それを、これ見よがしになんでもかでもカメラに収めるのって、つけすぎの香水みたいで下品だ。
キャスティングでよかったのは、官能小説家の長門裕之ぐらいだ。彼の役にしても、なぜ文芸作家から転換したのか、その過去は結局明かされない。
同じく女優をいっぱい集めた駄作に「NINE」があったが、あっちは女たちを翻弄する魅惑の男が主軸にいたが、こっちにはそれすらもない。

マスター@だんだん
マスター@だんだんさんのコメント
2010年6月24日

Re:まぼろし探偵さん
子供は尊いものだし、家系をあとに繋げるに越したことはありません。
ただ、単に産めばいいというものでもなく、子供の人生があり、それを尊重しなければなりません。
どんなに小さな人生でも、その人にとって素晴らしいものであってほしい。私はそう思います。残念ながら、この作品で学ぶものは何一つありませんでした。

マスター@だんだん
まぼろし探偵さんのコメント
2010年6月23日

人生が多岐に亘り、6人もの人物像があると、
それを個々に追って行かないと気が済まないのでしょう。

 舘に流れた時代性は、時代に繋ぐ、という底流にある訴求テーマを掴めば、これほど判り易い映画は無い、と思いますよ。

 個々の人生は小さく、個々の困難な事態は、それぞれの小さな決心で
一所懸命解決にに向けて努力し、結果、或る種の幸せを掴み、それを次代に託して行くという生き様の大河ドラマだと、思いますね。

 私はそんな人生、子供を産むだけの、時代に託すだけの、、人生なんて
まっぴらです、という向きには納得が行かないと思いますが、

 良かれ悪しかれ、繋ぐことを宿命附けられていることからは絶対的に逃げられない、ので、その繋ぎ方に様々な種類があるのだと思います。
その一部をClipしているだけなのですが、われわれ自体は小さいので、そこだけでも共感、理解できれば良いのだと思っています。

如何でしょうか、
宜しく!

まぼろし探偵