劇場公開日 2010年5月22日

「熱くないボクシング」ボックス! aceさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0熱くないボクシング

2010年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幼馴染がやがてライバルになるボクシング映画となれば、
通常熱いドラマになる。でも、今はスポ根や燃える時代ではない。
「ボックス」はさりげなく物語が展開する。
カブに思いをよせる女子マネージャーは二度目の入院で
ひっそりと死んでいく。
優等生のユウキはボクシングの才能を開花させるが、
超高校級の無敗のモンスター稲村に敗れる。
ドラマチックにするならユウキは失明するか、体に障害を残し、
カブが稲村を倒し観客は感動する。
しかし、「ボックス」はボクシングを始めて1年も経たないユウキが、
高校三冠の稲村に勝てるわけがないという現実をつきつける。
それもあっさりと。
カブと稲村の対戦も両手ブラリ、クロスカウンター、
幻のパンチといったスーパーテクはない。
カブのパンチが稲村の胸にあたってKOという現実にはありえない展開。
それでも感動するのは、このシチュエーションが永遠不滅ということだ。
ラストはボクシングをやめてハワイでお好み焼き屋を開業したカブ。
「神様のパズル」では物理学と寿司。
市原には、こんな組み合わせが似合う。

ace