悪人のレビュー・感想・評価
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タクシー運転手は無神経すぎ
出会い系サイトがまるでまともな男女が知り合えるような印象・・・本当は佳乃(浦島)と同感覚の女性が多いだろうし、男はやりたいだけが多いのだろう・・・
事件は増尾がドライブ中に、ニンニク臭いという原因で佳乃を人里離れた山の中で置き去りにしてしまい、約束をすっぽかされた祐一がその車を追跡していたために途方に暮れていた佳乃に会ったことが発端だ。途方に暮れていたはずなのに祐一を罵倒する佳乃。プライドだけは高いようだが、久留米の床屋の娘であり、保険外交員の仕事も父親に頼るくらいの女。そんな過失致死とも思える事件の後、偶然にも寂しい女光代がメールしてきたわけだ。
出会い系サイトであってもまじめな交際に発展する場合もある。かなりリアルな展開なところが痛い。会ってすぐにラブホに入った二人は真剣に愛し合うようになる・・・そこからは逃避行。光代はいったん自首しようとする祐一を引き留めたくらいだったのだ。
演技力はリアリティあふれ、母親代わりとして祐一を育てあげた祖母樹木希林が詐欺まがいの健康食品を買わされるなんてサブストーリーも考えさせられる場面だ。本当の悪人は誰なんだ?と見終わった人たちは議論するであろう濃い内容。被害者、加害者家族である祐一の祖母と床屋の主人(柄本明)はさておいて、本当はいい人なんだという性善説的なところはどの人物にも当てはまりそうにないのだが、唯一いい人だと感じたのはバスの運転手(モロ師岡)だ!一方で、タクシー運転手は無神経すぎて酷い(笑)
本当はいい人なのに・・・などと観客、読者を誘導させるテクニックなんてのが感じるが、極論をいうと、ヤクザ映画の登場人物はみないい人になってしまう点が痛い・・・キネ旬もなぜ1位に選んだのか・・・
人間って、
人間って、
一度生まれてしまうと終わりまで止められないんだと思った。
本人の生まれ持ってきた資質と、後々生育環境から影響を受けて加味された部分と、両方含めて自覚の有無を問わず一生負って行かなけれはならない自分という存在。
あれだけ温かく素朴な理髪店の両親の元に生まれ育っても"満島ひかり"は誕生するし、
“樹木希林“がどれだけ大切に育てても孫は殺人犯になる。
「同じ国道を行き来するだけの人生」と呟いたのは"深津絵里“。この店員だけが運命を打破して生きようとしてたかも。
どうにもならない人生の哀しみ。それを突き放した目で描写する原作者。
そんな映画だった。
登場する若者たちはうちの子供たちと同世代なので、いろいろと他人事とは思えず、うなだれてエンドロールを見る。
救いはどこに?
登場人物全員がそれを探していたなぁ・・・
あと、撮影手法での感想-
ラストのカットで主人公の目をアップに迫るやり方、
「夢見るふたり」の松たか子。
「横道世之助」の吉高由里子。
そして今回の妻夫木聡。
安易な多用は監督の力不足=逃げにつながりかねないが、妻夫木の夕陽を見つめる顔のロングは、銘シーン。
(TSUTAYAにて、樹木希林追悼コーナーよりレンタル)
被害者の女にまったく同情出来ない
一番の悪人は殺された女だろ。レイプをでっち上げるとか騒がれれば、どんな男だってキレる。正直、殺されて当然と思ったわ。この救いのない結果の原因も、殺された女にあるし、その連鎖によって関わった人達が不幸になってしまう胸糞悪くなる映画。
悪人。 キャストがいい。みんなの演技力。 樹木希林の演技…切なかっ...
悪人。
キャストがいい。みんなの演技力。
樹木希林の演技…切なかった。
普段は優しい孫。側にいた、育てたおばあちゃんの気持ち考えるとつらいな。
満島ひかり演じる娘にも問題はあるが、タイミングや不運が重なって起きてしまった殺人。
陥りそうな深い闇
深い内容で10年後ぐらいにまた見ると考えが変わりそうな作品。
誰もが(自分含め)登場人物の誰かになりそうな現代人を描いている。
事実、見たあと考え出すとこの作品が離れずこびりついた。
自分も愛を求めてああなる可能性はないとも言えないし、人間の弱く繊細で悲しい部分がありありと現れているような作品だし、人間の真っ黒くて醜くやらしい部分もまじまじと見せられる作品でもあるのかなと
どういう視点から見るのかも評価や考えを変えさせるだろう。
柄本明のセリフは考えさせられたなという感じ
受賞で騒がれる前から見たかった作品。 深津絵里よりも妻夫木聡に最優...
受賞で騒がれる前から見たかった作品。
深津絵里よりも妻夫木聡に最優秀主演男優賞あげたいと思うほど。
出会い系で出会った女が殺される。
同じく出会い系で出会った女と逃亡生活する。
どんな出会いであれ、1つ1つの出会いを真剣に求めていた結果なのだろうか・・・。
殺人を犯した人を「悪人」というならば、その一言だけでは片づけられない。富士山のように、その人の一側面であって、たまたまその殺人者ということが山の良く見える部分を占めているだけなのかもしれない。
殺された女。
殺された女の父親。
殺される女と直前まで一緒にいた大学生。
大した楽しみのない服屋の店員。
薬の悪徳業者。
誰が悪人!?となったら、それぞれに悪い定義があってそれによって順番付けしていく。
でも。
相対的に悪人がいるのではなくて、みんな絶対的に悪人とも思えてくる。
最後にガラスが割れることで、現実が現実として、悪が悪として浮きだって印象的。
「ノーボーイズ・ノークライ」でもそうだけど、妻夫木聡は家庭環境が複雑で影のある役がすごくはまっている。うつろなような、焦点が合っていないような、それでいてたまにすごい眼力がある。そんな役は彼しかいない。
役者さんはよいけど。。
何が言いたいのかがよくわかりませんでした。
悪人と言われる人は本当に悪人?というのがテーマだとすると。。
この映画では殺人を犯した妻夫木が「女に罵られて暴言吐かれたからカッとして殺した。」
も、罵った満島ひかりや蹴り捨てた岡田将生、もしくはマスコミの方が悪であるかのように書かれているように感じる。
満島ひかりも岡田将生も悪いが、妻夫木がもっとも悪い。どんなに追い詰められても人を殺して言い訳がない。
その上でどれだけ情状酌量の余地があるか、ということだと思うが、誰もが鬱屈した気分を持ったりするし、人付き合いで悩んだり、人を傷つけたりしたりがいたりするわけで。
犯罪というのは所謂線引きの話で、やったらアウト、手のがあるわけで、その手前はセーフ
セーフだけど傷つけたり酷いことはある、なんて日常感覚でわかり切ってること。
恋愛なんか振られて自殺なんてのもあるし。
「女に罵られて暴言吐かれたからカッとして殺した。」
アウトでしょ。同情の余地なんかない。
例えば冤罪着せられて、人生無茶苦茶になった後ならまだ同情の余地あるけど。
さらに言えば、岡田将生や満島ひかりにそういった裏側がまるで無いように描かれているように見える。
柄本明が「人のこと笑ってればいい」とか「大切な人はいる?」や「必死な人間を笑うな」などとテーマめいたなこと言うけど、それまで描いてきたことと矛盾して見える。
つまり、
『人付き合いが下手で「表面上」いわゆる上手く立ち回れない人間は必死にもがいてて鬱屈した何かを抱えており、なにか起こすと悪人とレッテル貼られるけど中身は悪人ではないかも?
そして人付き合いが上手で「表面上」いわゆる上手くやってる人間は必死にもがいたりしていなくて実は裏では悪人かも?』
という、「表面上」見えてる印象でレッテルを貼っているように見えて仕方ない。
(被害者遺族として相手の事情を推し量るなんて無理な話だけど、この映画ではそう言っているよに見える)
ということで、徹底してテーマらしきものに乗れませんでした。
良かった点は役者さんの演技は良かった。
特に満島ひかりさん!彼女の演技は見てて楽しくなるので好きです。
あと、樹木希林さんも楽しい、独特の演技がいい!
ラストよし
最後の数十分は素晴らしい。
妻夫木が深津を絞め殺そうとしている時などは、美しすぎる映像だった。
樹木希林の安定感。
妻夫木は、あともうちょっと、ソレっぽ感を出して欲しかったかな。
ていうのを描いてる自分が、柄本さんの「そうやって生きてろ」に合致しそうで…
普遍的な愛をテーマにした作品なので、コンセプトは好きでした。
共感できる部分があまりなかった
良い映画だと思いますが個人的に共感できる部分が少なかったし、心の距離が近づく描写が唐突すぎて「うーん」と感じてしまいました。
樹木希林さんの存在感が素敵すぎました。
善悪
3回目の鑑賞です。罪を犯さなくても悪な人間は多いです。人は弱い者。誰かにそばにいてもらいたくて、話しがしたくて、温もりを感じたくて。若いとき自由があるときはギリギリなとこまで無理をしていたなと懐かしんでしまいます。善人だったのか悪人だったのか、いつか懐かしむことができる日が来ます。
深津さんの透明感がよかった。
●誰が悪人か。
交わるハズのない糸が、ふいに交差する。
交差した糸がいたずらに絡まり合う。
終わりが見えてるから、余計にほどけなくなる。
なんともノーフューチャー。
被害者と加害者と、その家族と。それぞれの物語。その瞬間の悪人たち。
みんなキャラが立っていて、それでいてクドクない。引き込まれる。
ありゃあ本気で首絞めてるね。鬼気迫るわ。
最後の最後、きっと彼の唯一満たされていた瞬間を描いたのだろうけれど、おじさんにはちょっと蛇足感。
すべては一部
いろんな人が、いろんな状況を抱えて出てくるけど、みんな不器用な生き方なんですよね。普通はそんなもんじゃないですかね。
器用に生きることが良いことだとも思わないし、不器用な生き方が恥ずかしいと思わない。
みんな、求めるものは幸せなんでしょうね。
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