劇場公開日 2010年12月1日

「アニメ実写化の傑作」SPACE BATTLESHIP ヤマト はっちゃくさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アニメ実写化の傑作

2012年4月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

知的

昔ヤマトの完結編を見た後、もうこれ以上続編は作らないでくれ、ヤマトを安らかに眠らせてやってくれ、と心から願ったヤマトファン(矛盾に見えるが大多数のファンの本音だった)にとって、この作品はストーリーは踏襲しているものの本当に新しいヤマトでした。

かつて ヤマトへの熱狂が困惑になりそして失笑を伴った幻滅へと変わっていった私にとって、このヤマトは素晴らしい。

・もっとも素晴らしい点は、主要人物の性格を全て別人にしたことですね。

現実の俳優がアニメのキャラになれるものではない。ならば完全な別人にした方が受け入れられる。しかし主役が変わればそれはヤマトと言えなくなるのではないかと言う人もいるかもしれないが、いえいえ主役はヤマトです。ヤマト本体です。これが別の宇宙船だったなら私はこの映画を見ていなかったでしょう。
ヤマトは何の演技もしません。しかしヤマトという名とSFらしからぬ古風なその姿に、ノスタルジーとは違った何か大きな意志を感じてしまうのです。

主役のヤマトは使命を帯びれば何度でもよみがえる。ここに私は主題の一つをみます。

・もう一つの重要な特徴は アニメの台詞回しと脇役のアニメっぽい単一方向的な人物像をそのまま取り入れた事だと思います。

アニメの台詞をそのまま俳優がしゃべればクサくなります。とくにヤマトの台詞はそうですね。恥ずかしくなるような理想主義的な台詞が、シリーズには沢山ありました。
アニメの顔は人間の複雑な表情をもっていないので、芝居がかった台詞も単純な顔に中和されて似合ったりしますが、微妙な表情を持った俳優がアニメの台詞をしゃべればクサクなる。
それを回避するために、実写だからといってヤマトを複雑な人間ドラマにせず、どちらかというと何か壮大な叙事詩のように描く。(元々ヤマトはそんな感じでしたがw)
ああ、これはヤマトだとしみじみ感じました。

・そして何と言ってもヤマトの姿!
カッコいいですね~。
たまに模型っぽく見えるのは御愛嬌ということで。

はっちゃく