劇場公開日 2010年3月20日

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「「24」「プリズン・ブレイク」の監督さん作品だけに、アクションの切れ味が最高です。」TEKKEN 鉄拳 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「24」「プリズン・ブレイク」の監督さん作品だけに、アクションの切れ味が最高です。

2010年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 財閥が世界を支配する近未来を舞台に、母を殺された格闘家の復讐劇を描くアクション映画。序盤からテンポのいい、迫力に満ちたアクションシーンが続いて、DVDをながらで見ていたのが本気で魅入ってしまいました。
 それもそもはず「24」「プリズン・ブレイク」の監督さんが手掛けていた作品だったのですね。格闘ゲームの実写化は、それなりにゲーム臭さが残るものですが、これはアクション映画として、充分に成立しています。
 CGを多用せず、出演者の肉弾戦が展開されていて、格闘競技シーンが見所の一つになっています。もちろん格闘競技シーンのそれを彷彿せせるものですが、オリジナルのゲームのキャラクターを踏襲しつつ、さらに実写ならではアクションの醍醐味を味わいさせてくれるものでした。

 また国産ゲーム由来ならではの作品に流れる日本人としての精神が、三島財閥の総帥平八によって体現させられているところも、同じ日本人として心地よいものでした。

 本作は、格闘アクションばかりでなく、世界秩序がゲリラ戦争で崩壊した後の荒涼とした世界観を背景に、三島財閥の三代にわたる愛憎に満ちた父子関係を描く人間ドラマにもなっています。平八と対立する息子の一八の憎しみは、まるで戦国時代の斎藤道三と義龍の関係に酷似しています。そして一八のあずかり知らぬところで誕生してしまった仁との関係も複雑。母親殺しの仇として実の父親への復讐を狙って、鉄拳トーナメントに乗り込む仁ではあったが、いざ復讐の機会を得たとき、ためらってしまうのは親子の血のつながりの故でしょうか。

 とにかくラストまで、スカッと派手なアクションに引き込まれてしまう作品です。ぜひレンタルをお勧めしますよ。

流山の小地蔵