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真幸くあらば

劇場公開日 2010年1月9日
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それは期限付きの結ばれぬ恋のはずだった・・・

“わたし”は好きだなぁ
こんな世界や空気は・・・

◇   ◇

上映終了後、
階段を下りるとき立ちくらみ。
おもわず右手で手すりを力一杯握りしめてしまいました。

ただ
“わたし”とあえて強調したのは
万人受けはしない、ストライクゾーンは狭いだろうな、と受け取れたからです。

実際、途中退席された御夫婦が
一組、いらっしゃいました。事件の深刻さのわりには、
森山直太郎さんの雅やかな、音楽にのせて淡々と描かれていきますし、
登場人物たちが、なにを思って、その行動をしているのかわかりにくいので、
堪え切れない人は帰ってしまってもおかしくないと思います。

私も、独房自体、狭くて薄暗いですし、
尾野さんの家も、教会も薄暗くて、しばし
睡魔と闘ってしまったくらいですから(苦笑)

ただ、そこを乗り切れば、
ほのかな月明かりが射し込んできます。

◇   ◇

『接吻』(08)
これの狂気を取り除き、
純愛部分を強調した作品、
と表すると雰囲気が伝わるかもしれません。

「共感できないかもしれないが、
 なにか感じてもらえるところがあれば」

劇場に貼られていた尾野真千子さんのインタビュー記事。
まさに、この2行が言い当てていると思います。

わたしのように立ちくらみをしてしまう人もいれば、
堪えきれず泣き出してしまう人もいるでしょうし、
吐き気をもよおす人もいるでしょう。もちろん、
耐え切れず途中退席してしまう人もいるでしょう

それは、この作品に対して感じた反応として
すべて、あっていると思うんです。ストライクゾーンは狭いですが、
作品から感じうるゾーンの幅は、反比例するほど広いのではないかと思います。

だから、同じ作品を鑑賞したはずなのに、レビューの内容も
本当に、同じ作品を鑑賞したのか、と尋ねたくなるほどバラバラになりそうな気がします。

クライマックスのヌードシーン。
しなやかで艶やかな肢体でしたが
主人公2人の気持ちを想像すると
息が詰まるほど苦しかったです。
涙が枯れるって、こういう現象なんでしょうね。

ラストシーン。
賛否が割れそうですが
わたしはこういう終わりかた好きです。
ここも観る人によって解釈が異なってくるに違いありません。

☆彡     ☆彡

〈 肉体的に結ばれない恋 〉
〈 人は生きつづけるかぎり罪人 〉

御徒町監督、映画初監督だそうですが、
美しく、ときには幻想的な映像と、キメ細やかな
演出に、そんなハンディは微塵にも感じさせられませんでした。

音楽監督の、森山直太郎さんの音楽も
登場人物の、切なさ、苦しさ、愛おしさに彩を加えていました。

万人受けはしないと思いますが、
芸術作品として観れば一級品でしょう。

配給会社は、新宿バルト9を経営しているT-JOY。
これからも、採算は厳しいかもしれませんが、このような
良質な映画を私たちに届けてください。よろしくお願いします。

septaka
septakaさん / 2010年1月14日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  悲しい 難しい
  • 鑑賞方法:映画館
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