夏時間の庭 : 新作映画評論

現在の掲載作品数23649

夏時間の庭

劇場公開日 2009年5月16日
RATE
RATE B-
夏時間の庭のレビューを書く
見たい度
見たい度を投票
クリップ数
夏時間の庭をクリップ
  • 夏時間の庭の作品情報
  • 夏時間の庭の注目特集
  • 夏時間の庭の映画評論
  • 夏時間の庭の予告動画
  • 夏時間の庭のフォトギャラリー
  • 夏時間の庭のDVD
  • 夏時間の庭の映画レビュー
  • 夏時間の庭のグッズ
  • 夏時間の庭の知恵袋
  • 夏時間の庭のつぶやき

夏時間の庭 5月16日より銀座テアトルシネマにてロードショー

目に見えぬもの、耳に聞こえぬものたちが捉えられている

一家をひとつにまとめていた母親が死ぬ。死ぬ、というよりこの世から消えるといった方がいいかもしれない。暗闇の中にひっそりと姿を消し、物語の冒頭ではその母の誕生日に集まった子供たちが再びその家に集まることになる。そして、残された思い出の品々やその家を巡って、子供たちの思惑が交錯することになるのだが、しかし一体母はどんな人生を生きてきたのか?

母の残したコレクションの数々が、実際にオルセー美術館の協力などもあり実際の美術品を使って撮影されたことでも話題の本作だが、それには意味がある。母の生きた時代、愛したものたちの物語を、それらのもの言わぬ品々が人間には聴き取れない声で語るのだ。「本物」とは、つまりそれらが抱える「物語」の確かさのことである。

目に見えぬもの、耳に聞こえぬものたちが捉えられていると言ったらいいか。この映画はひたすら死者たちを映す。いや、死者たちを内に抱えたものたちを映すことで、私たちを遠い歴史と幽かな記憶の世界とを結びつける。母は生きている。つまり悲しみは喜びへと変容し、今、この人生こそが私たちを生んだ母の人生の一部であり全体であることを、子供たちは知ることになるのだ。映画のような人生とは、まさにこのように、他者とともに生きることではないかと思った。

樋口泰人

ブックマーク: Yahoo!ブックマークに登録する はてなブックマークに追加する livedoorクリップに登録する Buzzurlにブックマークする newsingにピックアップする

ABOUT THE MOVIE

  • 夏時間の庭 画像2 [拡大画像]
  • 夏時間の庭
  • 画家だった大叔父のアトリエに1人で暮らしていた母が突然亡くなり、その3人の子供たちにパリ郊外の広大な屋敷と庭、貴重な美術品コレクションが遺産として残される。3人は遺産の相続処理を進める中で、思い出の詰まった家への愛着と、経済的に厳しい現実とのジレンマに向き合うことになる。出演はジュリエット・ビノシュ、シャルル・ベルリング、ジェレミー・レニエ。監督は「イルマ・ヴェップ」のオリビエ・アサイヤス。
  • 原題:
    L'heure D'ete
    監督・脚本:
    オリビエ・アサイヤス
    撮影:
    エリック・ゴーティエ
    出演:
    ジュリエット・ビノシュシャルル・ベルリングジェレミー・レニエエディット・スコブ
    製作国:
    2008年フランス映画
    上映時間:
    1時間42分
    配給:
    クレストインターナショナル
  • 5月16日より銀座テアトルシネマにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C) 2008 MK2 SA-France 3 Cinema

- PR -

ガイド

新作映画評 人気映画評論家による最新作批評のコーナー。近日公開または公開中の最新作の中から編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介。更新は、毎週火曜日。

読み込み中...