ダウト/あるカトリック学校で : 新作映画評論

現在の掲載作品数23642

映画

ダウト/あるカトリック学校で

劇場公開日 2009年3月7日
RATE
RATE A
ダウト/あるカトリック学校でのレビューを書く
見たい度
見たい度を投票
クリップ数
ダウト/あるカトリック学校でをクリップ
  • ダウト/あるカトリック学校での作品情報
  • ダウト/あるカトリック学校での注目特集
  • ダウト/あるカトリック学校での映画評論
  • ダウト/あるカトリック学校での予告動画
  • ダウト/あるカトリック学校でのフォトギャラリー
  • ダウト/あるカトリック学校でのDVD
  • ダウト/あるカトリック学校での映画レビュー
  • ダウト/あるカトリック学校でのグッズ
  • ダウト/あるカトリック学校での知恵袋
  • ダウト/あるカトリック学校でのつぶやき

ダウト/あるカトリック学校で 3月7日よりTOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほかにてロードショー

ゼロ年代を覆う暗雲を払いのけようとする寓話

時代設定はアメリカにとっての転換点、1964年。それは、前年に若き大統領を暗殺によって失い、絶望感に満ち、公民権運動の拡大によりチェンジを求めつつも、旧来の意識が根強く残っていた時代でもある。しかし、神学校を舞台に研ぎ澄まされた言葉の応酬によって炙り出されてくるものは、「現代」を覆う病理を思わせる。

主要人物は3人の聖職者。新しい時代の息吹を感じさせる神父と、古い価値観から逃れられない厳格な校長、そしてピュアな新人教師。黒人の男子生徒に優しい神父に対し、新人教師は確たる証拠もないまま、性的関係を疑う。校長は疑惑を募らせ、彼の存在を排除すべく異様な執念をたぎらせていく。大量破壊兵器所持の疑惑を振りかざし暴挙に出て、泥沼へとはまったアメリカの過ちを彷彿とさせることは言うまでもない。あるいは、メリル・ストリープ扮する校長を、疑わしきは暴き出そうとするメディアだとすれば、フィリップ・シーモア・ホフマン演じる神父は、叩けばほこりくらい出る市民だ。揺るぎない信念と信念のぶつかり合いに、相手の立場に立つという想像力が生まれる余地はなく、エイミー・アダムスの教師像は、揺れ動き染まりやすい大衆心理そのもの。

高度な演技に息を呑む密室のセリフ劇は、意外な結末へと導かれ、真実の在り処に深い溜め息をつくことになる。これは、いつの時代も変わらぬ人心の闇を描きつつも、ゼロ年代を覆う暗雲を払いのけようとする寓話である。

清水節

ブックマーク: Yahoo!ブックマークに登録する はてなブックマークに追加する livedoorクリップに登録する Buzzurlにブックマークする newsingにピックアップする

ABOUT THE MOVIE

  • ダウト/あるカトリック学校で 画像2 [拡大画像]
  • ダウト/あるカトリック学校で
  • 1964年、ニューヨーク・ブロンクスにあるカトリック系教会学校の校長シスター・アロイシスは、進歩的で生徒にも人気のあるフリン神父が学校で唯一の黒人生徒と不適切な関係を持っているのではないかと強い疑惑を抱く……。トニー賞とピュリッツァー賞をダブル受賞した舞台劇を劇作家ジョン・パトリック・シャンリィが自ら映画化。メリル・ストリープ、フィリップ・シーモア・ホフマン、「魔法にかけられて」のエイミー・アダムスらが厳格な聖職者たちを熱演。
  • 原題:
    Doubt
    監督・原作・脚本:
    ジョン・パトリック・シャンリィ
    製作:
    スコット・ルーディン、マーク・ロイバル
    製作総指揮:
    セリア・コスタス
    撮影:
    ロジャー・ディーキンス
    美術:
    デビッド・グロップマン
    音楽:
    ハワード・ショア
    編集:
    ディラン・ティチェナー
    出演:
    メリル・ストリープフィリップ・シーモア・ホフマンエイミー・アダムスビオラ・デイビス
    製作国:
    2008年アメリカ映画
    上映時間:
    1時間45分
    配給:
    ディズニー
  • 3月7日よりTOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2008 Miramax Film Corp All rights reserved.

- PR -

ガイド

新作映画評 人気映画評論家による最新作批評のコーナー。近日公開または公開中の最新作の中から編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介。更新は、毎週火曜日。

読み込み中...