レイチェルの結婚 : 新作映画評論

現在の掲載作品数23663

映画

レイチェルの結婚

劇場公開日 2009年4月18日
RATE
RATE A
レイチェルの結婚のレビューを書く
見たい度
見たい度を投票
クリップ数
レイチェルの結婚をクリップ
  • レイチェルの結婚の作品情報
  • レイチェルの結婚の注目特集
  • レイチェルの結婚の映画評論
  • レイチェルの結婚の予告動画
  • レイチェルの結婚のフォトギャラリー
  • レイチェルの結婚のDVD
  • レイチェルの結婚の映画レビュー
  • レイチェルの結婚のグッズ
  • レイチェルの結婚の知恵袋
  • レイチェルの結婚のつぶやき

レイチェルの結婚 4月18日よりBunkamuraル・シネマほかにてロードショー

「ウェディング」を意識しつつ渋い視点を取り入れたデミとルメット

結婚式を挙げるのはレイチェル(ローズマリー・デウィット)で、式を壊しそうになるのは妹のキム(アン・ハサウェイ)だが、実はもうひとり、別の妹が隠れているのではないか。「レイチェルの結婚」を見ながら、私はふと面妖な妄想を抱いてしまった。

話を見れば、主人公はキムだ。中流の白人家庭に育ったキムは麻薬中毒の更生施設から一時的な出所を許され、コネティカット州の自宅に戻ってきた。が、彼女はドラッグに溺れる原因となった罪障感を拭い去れないでいる。姉と妹は父親の愛情を奪い合い、離婚して別の家庭を営む母親は傷を押し隠し、姉の結婚相手は黒人で、父の後妻も黒人……。

またか、と溜め息の漏れそうな設定だが、ここから先がジョナサン・デミの腕の見せどころだ。同時に評価すべきは、脚本を書いたジェニー・ルメット(シドニー・ルメットの娘で、リナ・ホーンの孫に当たる)の意外なまでの粘り腰だろう。

デミは、師匠筋に当たるロバート・アルトマンの「ウェディング」を明らかに意識している。近くて遠い人々が集まってドラマを起こすという結婚パーティの特質を十分に噛み砕き、ラース・フォン=トリアーの手法と響き合う映像や音楽を交錯させて、観客を意外な場所へかどわかそうとする。

そこで生きてくるのが、ルメットがひそかに設けた「もうひとつの視点」だ。私はつい「幻の妹」を妄想してしまったが、トラブルの当事者たちを穏やかに見守っている人物が、実は存在したのだ。アンナ・ディーバー・スミスが演じる父の後妻キャロル。絶望も希望も安売りしない寡黙な寛容は、映画の背筋を伸ばす。デミとルメットは、キャロルの視点を映画の竜骨に取り入れるという渋い協定を、暗黙裡に結んでいたのかもしれない。

芝山幹郎

ブックマーク: Yahoo!ブックマークに登録する はてなブックマークに追加する livedoorクリップに登録する Buzzurlにブックマークする newsingにピックアップする

ABOUT THE MOVIE

  • レイチェルの結婚 画像2 [拡大画像]
  • レイチェルの結婚
  • 「羊たちの沈黙」のオスカー監督ジョナサン・デミが、ある一家の結婚式前後の数日間をドキュメンタリータッチで描いた群像劇。姉レイチェルの結婚式に出席するため治療施設を退院した麻薬中毒患者のキム(アン・ハサウェイ)。だが、一家の厄介者であるキムが9カ月ぶりに家に帰ってきたことにより、家族内の様々な問題が浮かび上がってくる……。主演のアン・ハサウェイは第81回アカデミー主演女優賞にノミネート。巨匠シドニー・ルメットの娘ジェニー・ルメットが脚本を担当。
  • 原題:
    Rachel Getting Married
    監督:
    ジョナサン・デミ
    製作総指揮:
    イロナ・ハーツバーグ、キャロル・カディ
    製作:
    ネダ・アーミアン、マーク・プラットジョナサン・デミ
    脚本:
    ジェニー・ルメット
    撮影:
    デクラン・クイン
    美術:
    フォード・ウィーラー
    編集:
    ティム・スキュアーズ
    音楽:
    ゼファー・タウィル、ドナルド・ハリソン・Jr.
    出演:
    アン・ハサウェイ、ローズマリー・デウィット、ビル・アーウィン、トゥンデ・アデビンペ、マーサー・ジッケル、アンナ・ディーバー・スミス、アニサ・ジョージ、ロビン・ヒッチコック、シスター・キャロル・イースト、デブラ・ウィンガー
    製作国:
    2008年アメリカ映画
    上映時間:
    1時間52分
    配給:
    ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 4月18日よりBunkamuraル・シネマほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

- PR -

ガイド

新作映画評 人気映画評論家による最新作批評のコーナー。近日公開または公開中の最新作の中から編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介。更新は、毎週火曜日。

読み込み中...