劇場公開日 2010年6月11日

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「トニー節炸裂!皮肉とユーモアにあふれたジョークが面白い!」アイアンマン2 YuuuuuTAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0トニー節炸裂!皮肉とユーモアにあふれたジョークが面白い!

2017年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

興奮

マーベル映画に登場するヒーロー同士がクロスオーバーする
MCU(マーベルシネマティックユニバース)の作品として
今後の展開への布石を打つ場面が多い映画となっている。

国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.(シールド)の
司令官であるニック・フューリーは
ガッツリ出てトニー・スタークを勧誘し始めるし、
組織創設の秘密に触れたりもする。
アベンジャーズで大活躍するブラックウィドウが
初登場する映画でもある。
映画がシリーズモノとして
大きく動き出したことを気づかせてくれる。

舞台は前作の半年後からスタート。
自分がアイアンマンだとカミングアウトして以降、
アメリカの為にアイアンマンスーツを着て国民を守ってきた。
しかし、スーツの存在を脅威に感じ始めた軍隊が
スーツを提供するように促す。
「自分の存在こそが、脅威への抑止力になるのだ」と拒むトニー。
これからもアメリカを自分が守ると高らかに宣言をしてみせる。

トニーはスーツを着ることでアメリカ国民の
スーパースターとなる一方で、
体をスーツによって蝕まれていた…。
アーク・リアクターの動力源となる
パラジウムが発生させる毒素に体が侵されていたのだ。
時折測る血中毒素は、19%…24%…53%…と、
どんどん上がっていく。

皮肉なことに、軍隊へのスーツ提供を拒否し
自らアメリカを守れば守るほど
体へ蓄積されるダメージは深刻さを増していく。

そんなトニーの元へ復讐に燃える強敵 イワン・ヴァンコが現れる。
エレクトリカル・デス・ウィップというプラズマ?が
流れる鞭を武器にする強敵だ。
人型のドローンが作れたり、
アーク・リアクターのコピー品を作ったりと
かなり頭が切れる科学者だ。
(見てくれからは想像もできないのだが笑)
トニーはこの強敵に打ち勝つことができるのか…。

バトルの迫力に手に汗握りながらも
クスっと笑えるコミカルなシーンが織り交ぜられ
124分間ずっと飽きることがない。
前作を凌駕するSFアクション大作だ!

バトルシーンや、SF映画ならではのUIデザインなど
かっこよさ・派手さが詰まっていた。
が、それ以上によかったのが、
「トニー節」の面白さだ。
トニーは皮肉をこめた冗談が上手い。

アイアンマンスーツは兵器か?という軍事会議にて
軍隊からスーツを提供しろといわれた際には
「スーツと自分は一体。2つで1つ。
スーツを渡すのは売春行為と同じ」と発言した。

その発言を受けて判事が「私は(軍事の)専門家ではないので…(兵器の専門家を呼んでいる)」と発言したら
すかさず「議員が売春の専門家では困る!」と言うのだ。
思わず僕も笑ってしまった。
実際にこんな上手いことを言える人がいたら、
政治家でも人気が出て選挙にも強いのではないかと思った。
トニーも科学者として天才的なだけでなく、
こういった発言・やりとりが上手いからこそ
大企業の社長になれたのだろう。

さらに軍事会議の最後には
「丁寧に頼むなら国防長官になってもいい」
「ただし、残業はしないが」と発言し判事をあおった。
まさに大物だ。

お茶目なちょいワル親父として
コミカルなシーンをちりばめているのが
アイアンマンと他のマーベル映画との違いであり
確固たる人気を得ている理由なのだとも思う。

見終わった後に気がついたことがある。
実は2017年公開した「スパイダーマン・ホームカミング」の
主人公ピーター・パーカーの幼少期とトニーが出会っていたのだ。
これは見ていただけでは分からないだろう。
僕もこのレビューを書こうと思って
いろいろ調べているうちに知った。
このころからヒーローにあこがれていたらしい。
スパイダーマン役を演じたトム・ホランドや
マーベルの社長も認めている事実だ。

他にも裏話として、トニーの運転手役を務めるハッピーは
アイアンマン1・2の監督なのだ。
もともと俳優志向があって舞台とかにも
出たことがあるとかないとか。
なかなか親しみの持てる演技をしていた。
モナコのレース場での運転シーンや、
敵地に乗り込んで相手一人をやっつけて
得意げになっているとこなどがよかった)

今回もヴィランに苦戦しスーツがぼろぼろになるが
予備のスーツというのは用意していないらしい。
顔の予備がいくつかある位だって。
完璧なのはひとつだけ。
そう聞くとトニーの着ているスーツが
とても貴重な衣装に見えてくる。

アイアンマン単体の作品としても
MCU映画としても楽しませてくれる今作品。
時系列で次の作品となるソーも楽しみで仕方ない。

Trinity