グラン・トリノ samurai_kung_fuさんの映画レビュー(感想)

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グラン・トリノ

劇場公開日 2009年4月25日
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デッドボール、当てられた方も痛いが当てた方も痛い
投稿日:2009年4月28日
samurai_kung_fuさんのレビュー

この作品で俳優としてのクリント・イーストウッドは終了。っというのは本人談である。
この話が広まり、各方面の受けたショックの大きさに当のイーストウッド本人もビックリして「あぁ、いやね、ホントにホントの引退っていうか、まぁ主演とか最近はもう結構キツいなぁっと思ってさぁ」などと言い訳している所を見ると、まぁ完全に無いというワケでは無いのだろう。ただ、少なくとも自分監督で自分主演はもう無いのかもしれない。
「グラン・トリノ」一応は自作自演の最後に選んだ作品らしく劇中イーストウッドが演じるウォルト・コワルスキーは俳優クリント・イーストウッドが今まで演じてきたキャラクターの総括のような男であった。
トラブルに対して警察に頼らず自分で立ち向かうリバタリアンっぷりは西部時代の無法者のようだし、イタ公、黒んぼ(黒人軽称は『ニガー』よりもキツい『クーン(穴ぐま)』を使う。言われた黒人もあんまりヒドいのでビックリする程。)、米喰い野郎と全ての人種を侮蔑する様は「ダーティーハリー」そのままだ。
どちらにしても今までは拳銃で相手をブチ殺してきたワケだが、そんな人生にも終焉が訪れる。
「デッドボール、当てられた方も痛いが当てた方も痛い」
傷ついた側はもちろん痛いが、傷つけてしまった側も相手の痛みを想像してしまう。デッドボールなら相手の痛みの代償のやりとりをするチャンスもあるが、殺してしまった相手の痛みや喪失は計り知れない。
ピースマークのバックルをしたヒッピーの殺人鬼をブッ殺したハリー・キャラハン/クリント・イーストウッドは、その余波を受け止める。究極のリバタリアン、西部最後の男らしく自分一人で。

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