レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで : 新作映画評論

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映画

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで

劇場公開日 2009年1月24日
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レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで 1月24日より丸の内ピカデリー1ほかにてロードショー

見せかけの繁栄と幸福の足元を見つめ直すホームドラマの秀作

沈みゆく豪華客船で出会い、刹那の恋に燃え上がったカップルが再競演を果たした本作では、反ラブロマンスとでも呼ぶべき愛の修羅場が展開し、結ばれたことに苦悩する2人は、海よりも深い奈落の底へと堕ちていく。

舞台は、アメリカが経済的な繁栄を謳歌していた1950年代半ば。郊外に居を構え、幼な子とともに希望に満ちた生活を始めたはずの若夫婦は気づいてしまった。システムの歯車に組み込まれ、最新のモノに囲まれて暮らすことの虚しさを。都会での死ぬほど退屈な仕事に夫は嫌気がさし、瀟洒な家に閉じこめられた妻は内的に壊れていく。何者かになる夢を抱いていた2人は、このサバービアと同じく、自分たちの中身も虚ろであったことを悟り始める。夫は絶望的な空虚さの中に身を埋めかけるが、妻はアイデンティティを取り戻そうと必死にもがくのだ。どんなに熱演しても仇になりがちなディカプリオの少年性が、成長しきれない夫の姿にプラスに働き、喪失感が狂気へと変わる妻を体現するウィンスレットが凄まじい。

「何不自由ない暮らし」の中で増幅する「満たされない心」。今に至る、社会と家庭の崩壊の芽は、最も輝いていた時代にすでにあった事実を直視させ、見せかけの繁栄と幸福の足元を見つめ直すホームドラマの秀作である。サム・メンデスは、ブラックな笑いに転化させた「アメリカン・ビューティー」よりも遙かに辛辣に、過剰に煽られた夢や理想を捨てきれずに破滅していく、アメリカ的な幸福の正体を暴き出した。

清水節

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ABOUT THE MOVIE

  • レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで 画像2 [拡大画像]
  • レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
  • 「タイタニック」(97)のレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが11年ぶりに共演し、ある夫婦の夢や葛藤を描いた人間ドラマ。1950年代アメリカ・コネチカット。郊外の閑静な住宅街に暮らし、子供にも恵まれた理想の夫婦フランクとエイプリル。しかし、2人はマンネリ化する日々に不満を募らせて、次第に溝を深めていく……。監督は「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス。
  • 原題:
    Revolutionary Road
    製作・監督:
    サム・メンデス
    製作:
    スコット・ルーディン、ジョン・N・ハート、ボビー・コーエン
    原作:
    リチャード・イエーツ
    脚本:
    ジャスティン・ヘイス
    撮影:
    ロジャー・ディーキンス
    音楽:
    トーマス・ニューマン
    出演:
    レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、キャスリーン・ハーン、マイケル・シャノン、デビッド・ハーバー、キャシー・ベイツ
    製作国:
    2008年アメリカ映画
    上映時間:
    1時間59分
    配給:
    パラマウント
  • 1月24日より丸の内ピカデリー1ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2008 Dreamworks LLC. All Rights Reserved.

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