デス・レース : 新作映画評論

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デス・レース

劇場公開日 2008年11月29日
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デス・レース 11月29日より有楽座ほかにてロードショー

「スピード・レーサー」の対極にある粗く熱い手触り

「デス・レース」は「スピード・レーサー」の対極にある。どちらのリメイクも、オリジナル作は荒唐無稽なカーレースものだが、演出の向かった方向は真逆。「スピード・レーサー」は原作以上に現実から離れ、スピードと彩度の限界に挑戦して、レースカーを重力から解放する。「デス・レース」は原作にはない現実味を付加、エンジンを覆う重金属はどこまでもぶ厚く重く、タイヤと地表との摩擦は極限に達し、レースカーは重力に軋む。さらに「ボーン・スプレマシー」以降の全ハリウッド・アクション、新007や新バットマンまでもが倣ったドキュメンタリー系演出に沿って、映像の手触りは粗く熱い。

その結果、カルトではなく現代的な痛快娯楽アクションに仕上がったが、これは監督ポール・W・S・アンダーソンの計画通り。彼は元々「イベント・ホライゾン」と「ソルジャー」の監督。ハードSF的世界観と整合性のあるストーリー展開が好きで、「バイオハザード」「AVP」でも自明なように、どんなネタが来ようがこの好みを貫く。今回もその好みがいい意味で発揮されている。

ふと思い出したのは、アンダーソン製作の「バイオハザードIII」。大型トラックが砂漠を駆動するときの陽炎に歪むタイヤの映像に、監督が「ハイランダー」のラッセル・マルケイであることを思い出したが、アンダーソン監督もあれを見て、俺ならこう撮る、と思ったのかもしれない。

平沢薫

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ABOUT THE MOVIE

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  • デス・レース
  • 1975年に公開されたデビッド・キャラダイン、シルベスター・スタローン主演「デス・レース2000年」を、「バイオハザード」のポール・W・S・アンダーソン監督、「トランスポーター」のジェイソン・ステイサム主演でリメイク。2012年のアメリカ。無実の罪を着せられ、孤島の刑務所に収容された元レーサーのジェンセンは、刑務所内で凶悪犯たちが武装マシンに乗って繰り広げる殺人レース“デス・レース”への参加を強要される。
  • 原題:
    Death Race
    監督・脚本:
    ポール・W・S・アンダーソン
    製作:
    ポーラ・ワグナー、ジェレミー・ボルト、ポール・W・S・アンダーソン
    製作総指揮:
    ロジャー・コーマン、デニス・E・ジョーンズ、ドン・グレンジャー、ライアン・カバノー
    撮影:
    スコット・キーバン
    音楽:
    ポール・ハスリンガー
    オリジナル脚本:
    ロバート・ソム、チャールズ・グリフィス
    原案:
    イブ・メリキオー
    出演:
    ジェイソン・ステイサム、ジョアン・アレン、イアン・マクシェーン、タイリース・ギブソン、ナタリー・マルティネス
    製作国:
    2008年アメリカ映画
    上映時間:
    1時間45分
    配給:
    東宝東和
  • 11月29日より有楽座ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

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