フィッシュストーリー : 新作映画評論

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フィッシュストーリー

劇場公開日 2009年3月20日
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フィッシュストーリー 3月20日よりシネクイント、シネ・リーブル池袋ほかにてロードショー

5つの時代のエピソードが交錯する自由な構造の爽快作

中古レコード店が登場する2012年のオープニングから「世界の終わり」とか「彗星の衝突まであと5時間」とか、これはSFか!?と思うような言葉が飛びかう。それは1982年の気の弱い大学生の自分探し、99年の世界の終わりの予言、さらに75年に解散したバンド〈逆鱗〉の話になり、09年のシージャックへと展開していく。5つの時代のエピソードが交錯し時系列が自由に飛ぶので、着地点がなかなか見えてこないのがおもしろい。作品タイトルで〈ホラ話〉と手の内を見せてはいても、伊坂幸太郎原作だから普通で終わるはずもないのだ。

時代をつなくキーワードは、〈逆鱗〉が最後にレコーデイングした「FISH STORY」だ。この曲の無音部分をめぐっていろいろな解釈や想像があり、他の時代のキャラクターが耳にする。〈逆鱗〉は「この時代で届かなかった想いが、時空をこえてつながっていく」と演奏し、それが作品のテーマになっている。ジクソーパズルのように最後の最後に各エピソードがピタッとはまると、その腑に落ちかたが爽快で「見てよかった」と思う。監督は「アヒルと鴨のコインロッカー」で伊坂に絶賛された中村義洋。彼が手がけた「ジェネラル・ルージュの凱旋」がメジャー仕様の娯楽作だとすると、これはインディペンデント仕様の映画と音楽フリークのための快作になっている。

おかむら良

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(C)2009「フィッシュストーリー」製作委員会

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