ひゃくはち : 映画評論・批評

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ひゃくはち

劇場公開日 2008年8月9日
2008年8月5日更新 2008年8月9日よりテアトル新宿ほかにてロードショー

能天気なほど快活な補欠部員の野球愛に、高笑い!

画像1 (C) 2008「ひゃくはち」製作委員会 [拡大画像]

熱烈な高校野球ファンだけに、背番号19番と20番の選手の後ろ姿が映し出されたポスターに感じ入った。夏の県大会は多くて20名(都道府県によって違う)、甲子園は18名までしかベンチ入りできないのだ(2名は確実にスタンド行きだ)。悲しき補欠野球部員2名の友情物語かと思ったら、柳沢慎吾の「ひとり甲子園」の芸のように、野球の打球音から応援席のブラバンの音楽まで感覚的に再現されていて、野球小僧にはたまらない映画だった。素晴らしき野球狂の詩である。

タイトルは“煩悩”のほか、白球に縫われた赤い糸の“縫い目の数”を表すのだろう。だが、煩悩の中の三悪のひとつでもある“愚痴”が、映画をコミカルに躍動させている。イガグリ頭の2人の球児は練習で必死に白球を追いかける。だが、ベンチ入りへの壁は厚く、夢の甲子園のグラウンドには立てそうもないのだ。

主人公の雅人(斎藤嘉樹)とノブ(中村蒼)の快活な笑顔が、雲ひとつない夏空のように、見る者を晴れ晴れとさせてくれる。甲子園出場目前で、最大のピンチに見舞われたとき、斎藤演じる雅人が“秘密特訓”の成果(!?)を発揮するラストの、能天気なほどの楽しさといったら! これほど笑った野球映画はない。

佐藤睦雄

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