バンク・ジョブ : 新作映画評論

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バンク・ジョブ

劇場公開日 2008年11月22日
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バンク・ジョブ 11月22日よりシネマライズほかにてロードショー

緩急自在な話術にキリキリ舞いされる、痛快なピカレスク・ロマン

「世界最速のインディアン」のロジャー・ドナルドソン監督の“グッド・ジョブ”な職人技を堪能できる痛快な犯罪スリラーだ。

ロンドン・ベイカー街にある銀行を襲う愛すべき犯人たちにスポットを当てた“ピカレスク(悪漢)・ロマン”である。当初は、「掘った奪った逃げた」(79/ジョゼ・ジョバンニ監督)などでおなじみの穴掘りによる現金強奪計画が展開され、そのトーンは古風で型通りな“ハイスト(強盗)・ムービー”なのだ。ところが、その盗品の中に英国王室にまつわるスキャンダル(71年に実際起こった実話だけに長らく“封印”されてきた)のタネがあったことから、別の悪玉たちが登場。追われる悪党と追う悪党が、王室から裏社会までを巻き込んで入り乱れ、あとは二転三転。まるで犯罪小説の名手エルモア・レナードの筆致のように、ユーモアあふれたセリフ、奇天烈なプロットが巧妙に仕掛けられ、奇想天外なラストに向かってアクセル全開で突っ走る感じだ。時折シフトチェンジが行われるドナルドソン監督の緩急自在なストーリーテリングに、見ている側は完全にキリキリ舞い。新鮮味はないが、本当によく出来たホンだ。

B級映画スターとしてオーラを全身から発散するジェイソン・ステイサムはもちろん、デビッド・スーシェなど中年の脇役に至るまで、ノワール映画にぴったりの面構えをしているのが、なんとも愉快痛快。極上の映画的体験を満喫できる。

佐藤睦雄

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