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「シックスセンス」は確かに巧妙な“オチ”があった。そして、次作以降も同じような“びっくり”を求める人は後を断たなかった。これがM・ナイト・シャマランの不幸である。
映画というのは元々いろいろなジャンルや語り口があってしかるべきなのに、ある種の物しか期待されなくなってしまったのだ。これはすなわち「驚愕のオチ」を求める客の未熟さを物語っている。そして、残念なことに「未熟な客」というのが現在の世界的なマジョリティである。
シャマランがやろうとしているのは『映画表現』をどこまで煎じ詰める事が出来るか?という高度なチキンレースである。
前作「レディ・イン・ザ・ウォーター」を鑑みれば明らかで、『世界の終わり』という壮大なテーマを低所得者向けのアパートの中だけで展開するという、倒錯したミニマルな演出であった。
ゴテゴテと装飾に彩られCGでつまびらかにされる、ブラッカイマーあたりの幼稚極まりない『世界の終わり』に比べ、極端に削ぎ落とされた世界は、ほとんど記号そのものが動きまわるような、今まで見た事も無い世界であった。
そして、「ハプニング」で描かれているのは『脅威』そのものの闊歩する風景である。
「ジョーズ」であれば巨大なサメが、「ボルケーノ」であれば噴出し地を覆う溶岩が脅威なわけだが、「ハプニング」における脅威の対象とは「脅威」という概念そのものである。
劇中では「ある種の植物には〜〜」というようなエクスキューズもあるが、明確にはされていない以上、マーク・ウォルバーグやズーイー・デシャネルが恐ろしがった物とは、やはり目に見えない「脅威」そのものである。
そして、たとえ目に写らない物であろうと「映画」は見せて表現しなければならない。その極限的な選択として「脅威」の概念は「風」で表現されているのである。死を運ぶ風は地をゆらすように響くBGMをしたがえ、恐怖をもって現れる。それが、映像的にはただ草が風にそよいでいるだけだとしても。
鑑賞者は、この、すさまじく映画的な瞬間にうち震える他なくなるのである。
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