靖国 YASUKUNI : 新作映画評論

現在の掲載作品数23629

靖国 YASUKUNI

劇場公開日 2008年5月3日
RATE
RATE B
靖国 YASUKUNIのレビューを書く
見たい度
見たい度を投票
クリップ数
靖国 YASUKUNIをクリップ
  • 靖国 YASUKUNIの作品情報
  • 靖国 YASUKUNIの注目特集
  • 靖国 YASUKUNIの映画評論
  • 靖国 YASUKUNIの予告動画
  • 靖国 YASUKUNIのフォトギャラリー
  • 靖国 YASUKUNIのDVD
  • 靖国 YASUKUNIの映画レビュー
  • 靖国 YASUKUNIのグッズ
  • 靖国 YASUKUNIの知恵袋
  • 靖国 YASUKUNIのつぶやき

靖国 YASUKUNI 5月3日より渋谷シネ・アミューズほかにてロードショー

靖国に集う人々は掘り下げずに、記録することに徹したドキュメンタリー

画像1

中国人の監督・李纓(リ・イン)が10年に渡る取材を経て作り上げたこのドキュメンタリーは、8月15日の靖国神社に集う様々な人々と、敗戦まで神社境内の鍛錬所で作られていた“靖国刀”の製作を再現する現役最後の刀匠・刈谷直治の映像で構成されている。その双方に対する李監督のスタンスは対照的だ。

彼は、靖国に集う人々を記録することに徹し、掘り下げようとはしない。個別に追いかけていれば、テーマは先の戦争に限定されていただろう。この映画では、あえて距離を置くことによって、彼らを包み込むようにそこに存在する靖国という空間が浮かび上がる。

一方、刈谷が刀を作るのは、実際には彼の鍛錬所だが、まるで靖国のなかにいるように見える。李監督はこの刀匠には積極的に質問を繰り出すが、彼は沈黙する。だが、鍛錬の作業で完全に変形した刀匠の指には、戦争という次元だけでは語れない国家神道や近代日本の呪縛を感じとることができる。

この映画では、誰もが近代を象徴する靖国という空間のなかにあり、外部が見えない。私たちが近代の呪縛を解き、乗り越えていくためには、たとえば藤村の「夜明け前」のように、近代を根底から見直していかなければならないだろう。

大場正明

ブックマーク: Yahoo!ブックマークに登録する はてなブックマークに追加する livedoorクリップに登録する Buzzurlにブックマークする newsingにピックアップする

ABOUT THE MOVIE

  • 靖国 YASUKUNI 画像2
  • 靖国 YASUKUNI
  • 日本在住の中国人ドキュメンタリー監督リ・インが、靖国神社にまつわる様々な事象を10年間に渡って取材して完成させた日中合作のドキュメンタリー。毎年狂乱の様相を呈する8月15日の靖国神社を記録したほか、靖国神社のご神体として敗戦までの12年間で8100振りも作られたという“靖国刀”の鋳造を再現する刀匠の姿を通し、その歴史的意味を明らかにしていく。ベルリン国際映画祭をはじめ世界各地の映画祭で大反響を呼んだが、日本国内では上映を自粛する映画館が相次ぐなど物議を醸す。
  • 監督:
    リ・イン
    撮影:
    堀田泰寛、リ・イン
    出演:
    刈谷直治、菅原龍憲、高金素梅
    2007年日本・中国合作映画/2時間3分
    配給:
    ナインエンタテインメント、アルゴ・ピクチャーズ
  • 5月3日より渋谷シネ・アミューズほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

- PR -

ガイド

新作映画評 人気映画評論家による最新作批評のコーナー。近日公開または公開中の最新作の中から編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介。更新は、毎週火曜日。

読み込み中...