劇場公開日 2008年10月11日

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ゲット スマート : インタビュー

2008年10月3日更新

人気TVシリーズ「HEROES/ヒーローズ」のヒロ・ナカムラ役でブレイクした日本人俳優マシ・オカが「ゲットスマート」で扮しているのは、主人公マックスらが所属する諜報機関コントロールで相棒ロイド(ネイト・トレンス)とともに秘密兵器を開発するブルース役。出番はそれほど多くないがどこか憎めないオタクキャラで、彼らを主人公にしたスピンオフも製作されている。そんな彼が、スティーブ・カレルら共演者との撮影秘話を明かす。(取材・文:編集部)

マシ・オカ インタビュー
「アイディアは常にアドリブ。失敗しても笑いの神が降りてくることがあるから」

極秘任務に就くマックスに秘密兵器を手渡すブルース&ロイド
極秘任務に就くマックスに秘密兵器を手渡すブルース&ロイド

主人公マックス役のスティーブ・カレル、チーフ役のアランアーキンは、マシ・オカが即興演技を学んだ名門コメディ劇団“セカンド・シティ”の先輩にあたる。先日の来日会見で、カレルとマシ・オカが下ネタでふざけ合う映像が紹介され、先輩後輩のチームワークの良さを垣間見せていた。しかしながら、カレルは全米では大人気を誇るコメディ俳優だが、日本では「40歳の童貞男」」でようやく知名度が上がってきたという程度。マシ・オカから見たスティーブ・カレルとはどんな俳優?

セカンド・シティの創設者でもあるアーキン(右)には カレルも気を遣っていたとか…
セカンド・シティの創設者でもあるアーキン(右)には カレルも気を遣っていたとか…

「僕にとっては雲の上の存在ですよ。ただ、スティーブは役柄とすごくギャップがあるというか、素顔のスティーブは普通のオジサンなんです(笑)。カメラが回ってるときは笑いを堪えるのが辛いぐらいなのに、休憩中になると『この頃、土地の値が下がってきたよね』とか話してる。だから僕も『不況ですからね』と答えたりね(笑)。とにかく彼はムードメーカーであり、プロフェッショナルな俳優です」

そのカレルを中心にして、場面ごとに次々とギャグが繰り出される本作。ギャグのほとんどは俳優のアドリブで作られているそうで、「アメリカのコメディはアドリブが主体。たとえば、1つのシーンの同じラインを100回テイク撮って、1テイクごとに少しずつセリフを変える。それを編集段階で選りすぐって使うんです」とコメディ撮影のプロセスを明かす。

「ヤッター!」のイメージを払拭? マシ・オカ
「ヤッター!」のイメージを払拭? マシ・オカ

「そうやって面白いところを全部入れたら、完成当初は尺が3時間だった(笑)。まあ、そういう意味でDVDの特典映像はかなり盛りだくさんのはずです。未公開映像はもちろん、『○○シーンの別バージョン(20通り)』とかね(笑)」

冒頭でも触れたとおり、本作のスピンオフ「ブルース&ロイドのボクらもゲットスマート」(劇場非公開作品/10月22日発売)では主演を飾っているマシ・オカ。「当初は本編の合間に撮影して安上がりに済ませる予定だったんですが、ワーナーから『ちゃんとシナリオを作って撮ろう』と言われ、クランクアップから3カ月後に撮影したんです」

ちなみに、このブルースとロイドという役に関して、キャスティングの段階から製作陣のこだわりを感じさせるエピソードも。「僕たちのほかに黒人、背が高い人、低い人、さらには女性など、様々なタイプの俳優同士がコンビを組んでブルース&ロイドを試しました。かなり時間をかけてオーディションを行って、最終的に僕とネイトのお笑いデュオのようなブルース&ロイドができあがったんです」

「ヤッター!」のセリフがおなじみのヒロ・ナカムラ役が印象強いマシ・オカだが、「ブルースはなるべくヒロと違う印象のキャラクターにしたかった」と明かす。「楽観的なヒロに比べると、ブルースはドライでシュールな奴。それに、ヒロはどちらかというとボケキャラだったから、今回はツッコミをやってみたかったんです」。このあたりはお笑い好きだというマシ・オカらしい発言だが、ちなみに本人はボケとツッコミのどっちのタイプ?「う~ん、可能ならどっちもやりたいですね」

間もなくDVD発売されるスピンオフにも期待
間もなくDVD発売されるスピンオフにも期待

そして、スピンオフの撮影でも活躍したのが即興演技。「ギャグのアイディアは常にアドリブで作ってます。新鮮味があるし、何が出るか分からない面白さもある。『mistake is a gift』という言葉があって、失敗しても笑いの神が降りてくることがあるから、あまり考えずに演じるのもひとつの手。もちろんいくつか選択肢を持って演じることは大切だし、それが僕らの仕事だけど、一度白紙にすることも大切なんです」

すでに続編の製作も予定されているという「ゲットスマート」。マシ・オカの話を聞いていると、DVD特典映像の方が気になってしまうのも否めないが、まずは劇場で本編をご堪能あれ。

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