ぼくの大切なともだち : 新作映画評論

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新作映画評論

ぼくの大切なともだち ぼくの大切なともだち 6月14日よりBunkamuraル・シネマほかにてロードショー

様々な格差や壁を壊していくルコントならではの繊細なドラマ

画像1(C)2006.FIDELITE FILMS—WILD BUNCH—
TF1 FILMS PRODUCTIONS—LUCKYRED./WISEPOLICY

ルコントの新作の導入部には、この監督のスタイルを逆手にとるような面白さがある。「タンデム」や「列車に乗った男」では、男同士の友情や絆が、含みのある様々なエピソードを通してさり気なく描き出されていた。だが、この新作の場合はそうはいかない。

仕事だけが生き甲斐の美術商フランソワは、10日以内に親友を披露しなければ、高額な壷を失ってしまう。自信に溢れていた彼は、なりふり構わず友だちを探し、誰とでも親しくなれるタクシー運転手ブリュノにノウハウを学ぼうとする。そんな姿は滑稽だが、もちろんただのコメディでは終わらない。

ブリュノは、実は心に傷を抱え、クイズ番組に出場する夢を支えにしていた。骨董という物だけを友とするフランソワと、知識という情報だけを友とするブリュノ。そこには、勝ち組と負け組の孤独を見ることができる。

ルコントは、ひねりを効かせた展開のなかで友情と愛について考察を加え、勝ち組と負け組の格差や異性愛者と同性愛者の壁を壊していく。この映画では、次第にルコントならではの繊細な人間ドラマが浮かび上がってくるだけではなく、導入部の賭けも実は友情から始まっていたことがやがて明らかになるのだ。

大場正明

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ABOUT THE MOVIE

  • ぼくの大切なともだち 画像2
  • ぼくの大切なともだち
  • 自分の誕生日パーティで友人たちから「お前の葬式には誰も行かない」と言われてしまった美術商フランソワ。彼らの前に10日以内に親友を連れてくると約束したフランソワは、偶然出会ったタクシー運転手ブリュノの助けを借りて親友探しを始めるが……。フランスの名匠パトリス・ルコント監督が、中年男性の友情をユーモラスに描いた人間ドラマ。主演は「あるいは裏切りという名の犬」のダニエル・オートゥイユと「戦場のアリア」のダニー・ブーン。
  • 原題:
    Mon Meilleur Ami
    監督:
    パトリス・ルコント
    脚本:
    ジェローム・トネール、パトリス・ルコント
    製作:
    オリビエ・ダザット、マルク・ミュッソ
    撮影:
    ジャン・マリー・ドルージュ
    音楽:
    グザビエ・ドゥメリアック
    出演:
    ダニエル・オートゥイユ、ダニー・ブーン、ジュリー・ガイエ
    2006年フランス映画/1時間36分
    配給:
    ワイズポリシー
  • 6月14日よりBunkamuraル・シネマほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2006.FIDELITE FILMS—WILD BUNCH—TF1 FILMS PRODUCTIONS—LUCKY
RED./WISEPOLICY

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