コントロール : 初監督に挑んだアントン・コービン&主演サム・ライリーに聞く(2)

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伝説のミュージシャン、イアン・カーティスを演じたのは、英国の新進俳優サム・ライリー。オーディションではイライジャ・ウッドやキリアン・マーフィといった有名俳優を押さえてこの役を勝ち取ったという、これからが楽しみなひとり。そんな彼にインタビューを行った。(取材・文:立田敦子

サム・ライリー インタビュー
「普通の男として、素晴しい才能をもったひとりの若者として演じようと思った」

コントロール 陽光あふれるカンヌにて

――どのようにしてイアン・カーティスの役を得たのですか?

「5年も音沙汰がなかったエージェントから電話があって、この伝記映画があると聞いたんだ。まず、マンチェスターでキャスティング・ディレクターに会い、それから(監督の)アントン・コービンに会ったのは3度目のオーディションだった。小さな部屋で何シーンか演じた後、踊ってくれと言われた。僕は踊りながら、もしこれで役がもらえなかったら、今までで最高に屈辱的なオーディションになるだろうって思ってた(笑)。そしたらアントンが最後に、“髪は切らないでおいて”と言ったからチャンスはあるかもと思ったんだ」

コントロール サム自身もバンド活動をしているとか

――あなたも“10,000 things”というバンドで音楽活動をしているそうですが、この映画に参加する前は、イアン・カーティスやジョイ・ディヴィジョンをどのように思っていましたか?

「10代の頃といえば、僕はオアシスの大ファンだった。“Love Will Tear Us Apart”が、ラジオで時々かかっていたのは覚えているけど、ジョイ・ディヴィジョンのファンというわけではなかった。僕がイアン・カーティスの名前を初めて認識したのは、今思えば偶然だけれど、僕がミュージシャンとして活動しはじめたときだった。パブで演奏したとき、そのポスターに僕らのことが、“イアン・カーティスがローリング・ストーンズをやっている”って表現されていたんだよ。で、イアンがジョイ・デイヴィジョンのリードボーカルだってことを知ったんだ。でも今回、役作りのために彼らのライブの映像を見たら、彼らが僕が心から楽しめるバンドだということに気が付いた。“Transmission”を歌っているときのイアン・カーティスの姿には、首筋の毛が逆立つような気がしたよ」

――実際の声やルックスは、あまり似ていませんが、映画の中では、驚くほど似ていますね。どんな風に役作りをしたのですか?

コントロール

「実在の人物を演じるわけだから、出来るだけ彼に近づくことが重要だと思った。だから、出来る限りの彼に関する映像を見たよ。当時はビデオカメラもあまり普及していなかったから、イアンのインタビュー映像はなかった。普段の声があまり知られていないことは、僕に有利に働いたかもしれないね。それでも、僕は出来る限り映像から研究して、彼の声を真似ようと飽きるほど練習したよ。実際にセットに行ってバンドと演奏したときは、彼の演技が自然に出来た。自分を忘れて、僕はイアン・カーティスなんだって言い聞かせていたんだ」

――彼の人生や若すぎる死を、同じミュージシャンとして、また、20代の若者としてどう解釈したのですか?

「彼は素晴しい詩人で、謎めいたパフォーマーだった。いつでも、どこか居心地の悪さを感じていたんんじゃないかと思う。ジム・モリソン、カート・コバーン、ジミ・ヘンドリックス。若くして死んだミュージシャンは、みんな偶像化されがちだ。そして、若い人々がそういうものに惹き付けられるのも仕方のないことだと思う。僕も10代の頃は、確かにそういう類のものに憧れたこともある。でも僕は、出来るだけ彼を普通の男として、素晴しい才能をもったひとりの若者として演じようと思ったんだ」

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  • 絶望的な歌詞や独創的な曲調で70年代末のUKロック・シーンに衝撃を与えたポスト・パンク・バンド、ジョイ・ディヴィジョン。そのボーカリストとして絶頂期にありながら、23歳という若さで自ら命を絶ったイアン・カーティスの半生を、これまで多くのミュージシャンを撮り続けてきた写真家アントン・コービンが映画化。主人公イアン役には、自身もバンド活動を行う若手俳優サム・ライリーが抜擢された。
  • 原題:
    Control
    監督:
    アントン・コービン
    脚本:
    マット・グリーンハルシュ
    原作:
    デボラ・カーティス
    撮影:
    マーティン・ルーエ
    音楽:
    ニュー・オーダー、ジョイ・ディヴィジョン
    出演:
    サム・ライリー、サマンサ・モートン、アレクサンドラ・マリア・ラーラ、ジョー・アンダーソン、ジェームズ・アンソニー・ピアソン、トビー・ケベル、クレイグ・パーキンソン
    2007年イギリス・アメリカ・オーストラリア・日本合作映画/1時間50分
    配給:
    スタイルジャム
  • 3月15日より、シネマライズほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(c)Northsee Limited 2007

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