コントロール : 新作映画評論

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コントロール

劇場公開日 2008年3月15日
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コントロール 3月15日よりシネマライズほかにてロードショー

当時のある種の人々の生きる態度が顕れている

画像1(C) Northsee Limited 2007

ジョイ・ディビジョンのアルバムを初めて聴いたのは、20歳の頃だ。イギリスでの大反響の余波が日本に届いた70年代末のこと。しかしその「余波」はあまりに小さく、だからこうやって彼らの物語が映画になり日本公開される日が来ることなど、想像することさえなかった。何しろ時代はバブルの前夜。彼らのダークで重くエキセントリックな音楽が受け入れられる要素は、日本にはなかったのだ。

だからほとんどの日本人は、複雑な思いにとらわれることなくただ単にひとりの才能あるミュージシャンの苦悩と絶望の物語として、この映画を受け取ることになるはずだ。ニュートラルな視線で彼らの姿を見ることが出来る多くの人の僥倖を、喜びたい。あの単調だがアグレッシブなリズム、生きることについてのひたむきな歌詞、そして主人公イアン・カーティスの痙攣的な踊りなどを、まっさらな目と耳で受け取る幸福。

もちろんこの映画は「フィクション」だからジョイ・ディビジョンという実在のバンドにこだわる必要はないのだが、しかし、この映画のあの痙攣的な踊りを見たとき、ああまさにあの姿を当時の私は彼らの音から聞き取っていたのだと感じた。あれこそが70年代末から80年代初頭にかけてのある種の人々の生きる態度だった。そんな当時への思いを、この映画は思い起こさせてくれた。

樋口泰人

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ABOUT THE MOVIE

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  • 絶望的な歌詞や独創的な曲調で70年代末のUKロック・シーンに衝撃を与えたポスト・パンク・バンド、ジョイ・ディヴィジョン。そのボーカリストとして絶頂期にありながら、23歳という若さで自ら命を絶ったイアン・カーティスの半生を、これまで多くのミュージシャンを撮り続けてきた写真家アントン・コービンが映画化。主人公イアン役には、自身もバンド活動を行う若手俳優サム・ライリーが抜擢された。
  • 原題:
    Control
    監督:
    アントン・コービン
    脚本:
    マット・グリーンハルシュ
    原作:
    デボラ・カーティス
    撮影:
    マーティン・ルーエ
    音楽:
    ニュー・オーダー、ジョイ・ディヴィジョン
    出演:
    サム・ライリー、サマンサ・モートン、アレクサンドラ・マリア・ラーラ、ジョー・アンダーソン、ジェームズ・アンソニー・ピアソン、トビー・ケベル、クレイグ・パーキンソン
    2007年イギリス・アメリカ・オーストラリア・日本合作映画/1時間50分
    配給:
    スタイルジャム
  • 3月15日よりシネマライズほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(c)Northsee Limited 2007

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