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ツタヤに行き、いつものように、内容いっさい確かめずに題名だけで6本くらい借りました。2009年記念すべき最初の映画は、題名だけではまったく内容を推測できない本作となりました。
なんでもカンヌ・パルムドールを取ったらしいルーマニア映画の本作、ツタヤのジャンルではミステリに分けられています。観終わってみると、ツタヤさん絶対にこの映画観ずにジャンル分けしたなって思いました。ぜんぜんミステリじゃありません。
前置き長くなりましたが、本作のテーマはずばり「堕胎」でございます。正月早々、とても重いのを選んでしまいました。それでも、です。観てて気分重くなるけど疲れないんです。
それもそのはず、描写が素晴らしいんですね~。カットは最小限度に抑え、物語が地に足をつけて人々の日常生活に見事に入り込んでるのです。つまり描写でストーリーを引っ張れてるのです。個人的に一番印象に残ったシーンが、主人公の女が恋人の実家に招かれ食事するシーン。そこで繰り広げられる会話や人々の表情、そのどれを取っても本筋に関係ないのに、とても説得力がある。
思うに、この監督さん、「映画」っていうものを知り尽くしているのだと思います。この作品を見て、映画を理解できてない作り手ほど解説や説明をはさみたがるのだと思いました。
フェリーニとは別のタイプだけど、感動の感覚がフェリーニと似ている。ひょっとしたら再来なのかも。クリスティアン・ムンジウって監督さんの名前、ちゃんとインプットしました。

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全編が長回しで撮影されているからドキュメンタリー風になっていて過剰な表現等がないから本当にこの状況だったらこんな感じだろうという感じを出しているのがすごいテクニックだと思ったし、多くを語らなくとも映像からそのシーンでの主人公の思っていることや緊張感、恐怖心なんかがひしひしと伝わってきて、一見たいくつそうなシーンからも目が離せなくなるほど作品に惹きこまれた(>_<)

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<ストーリー>
オティリアはルームメイトのガビツァの闇の堕胎処理のため、本人が積極的に動かないため必死で奔走。いざ「闇」の堕胎業者が、金が足りないというと、それこそ「身を投げうって」まで解決しようとするのに、本人はどこか他人事。自分の事でもないのにオティリアは次第に追い詰められていく。
<個人的戯言>
最近の映画の中で、おそらく女性からバッシングされ度は、「東京ラブストーリー」の中で有森也実が演じてた関口さとみか、「ポケベルが鳴らなくて」の中の裕木奈江(未だに彼女が役であるにもかかわらず、バッシング受けたのか私には不明。そしてまさかの「インランド・エンパイア」出演。やはり不思議女優か?)か、それ以上。観てるこっちもイライラしてくるのを、カット割りが更に助長。こんなのがいたらお気を付けあそばせ!
とにかくこのガビツァという女。自分が当事者の自覚全くありましぇ~ん。とにかくいろいろな準備に奔走するルームメイトを尻目に、自分がしなければいけないことを、ほとんどまともにやってません。挙句の果てに、ルームメイトがいろいろ確認すると、「・・・と思ってた」「体調が優れないの」等ほんと
イイイイイイイイイイイイ・・・とさせてくれます。弱々しい感じで、懇願するような上目遣いが更に後押し。
その「他人事」振りを象徴的にしているのがそのカット割り。「存在」を消し、それこそ「誰のこと?」という感じにしていて、もうルームメイトと観客のイライラ度は頂点に。全篇が淡々と進み、冷たい感じの部屋や街並みが突き放したような印象が、まるで無関心を表しているかのよう。
更にルームメイトは恋人との関係も加わり、「何で私だけ?」「何で私がこんな目に?」みたいに思い、自分のことでもないのに次第に追い込まれていきます。結局最後まで頼られっ放しの後の、堕胎女の前に出てきたものは・・・
おいおい、お前平気かよ!
チャウシェスク独裁政権時代、堕胎が違法とされていたルーマニアが舞台ですが、そんな背景うんぬんよりこの堕胎女です・・・しかしやけに印象付けられてますが、まんまとしてやられてるか?

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まずは長回しを基本としたその映像テクニックに舌を巻く。監督の頭の中にきちんと全体像が描かれていないとこうはいかない。さらにはリアリティにこだわったセリフや演技も見事。このオティリアのような自然な演技こそもっとほめられるべきだ。ガビツァやベベにはむかつくが、それも彼らの演技があってこそ。確かに中絶に関する映画だが、そこに至る過程をまったく与えられない。この映画は中絶の是非を問うのではなく、このような危険な行為をしなくてはならない当時のルーマニアを見てくれと訴えている。監督も女優もすぐにアメリカに呼ばれるだろうが、才能が潰されないことを祈る。