百万円と苦虫女 : 新作映画評論

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百万円と苦虫女 百万円と苦虫女 7月19日より、シネセゾン渋谷、シネ・リーブル池袋ほかにてロードショー

肩の力を抜いたゆるさ加減が妙に心地いい

画像1(C) 2008「百万円と苦虫女」製作委員会

いま監督たちの評価が高い旬の女優・蒼井優が主演する、コミュニケーションの難しさをテーマにしたほろ苦いロードムービーだ。蒼井が演じるヒロインの鈴子は事件に巻き込まれて前科がつき、家にいづらくなって転々とする。不器用で他人とも自分自身ともうまく距離をとれない彼女は、「自分探しなんて、むしろしたくない」と言うが、実は、自分と向き合うしかないとわかっている。預金が100万円になったら次の場所に引っ越すというユニークなルールも、友人や知り合いのいない土地で自分と向き合い、納得できるペースで自己再生しようとしているから。

監督・脚本は「タカダワタル的」や「赤い文化住宅の初子」などで注目される女性監督のタナダユキ。アパートの窓辺に植木鉢を並べてネギやトウガラシを育てたり、鈴子が手作りのカーテンを持って旅をするといった、女性監督ならではの生活に根ざした視点がいい。ヒロインだけでなく、鈴子が恋をするホームセンターで働く中島(森山未來が好演)、いじめにあっている鈴子の弟など、男性キャラクターもよくできている。細かいディテールにリアリティがあるから、女の子版寅さんのような鈴子の生活も地に足がついたものに見えてくるのだ。とりあえず自分の足で歩いてみようという鈴子の精神と、全編にただよう肩の力を抜いたゆるさ加減が妙に心地よく、共感度の高い作品になっている。

おかむら良

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  • 百万円と苦虫女 画像2
  • 百万円と苦虫女
  • 「さくらん」の脚本家タナダユキが監督、「ニライカナイからの手紙」「フラガール」の蒼井優主演で送る青春ムービー。短大を卒業後、就職もできずフリーター生活を送る鈴子。ひょんな事件から家族の元を離れ、100万円を貯めるごとに引越しを繰り返す生活を始める。様々な人との出会いを通じ、鈴子は少しずつ人の心の温かさに触れて成長していく。共演に森山未來、ピエール瀧ら。主題歌はクラムボンの原田郁子が担当。
  • 監督・脚本:
    タナダユキ
    撮影:
    安田圭
    音楽:
    櫻井映子、平野航
    出演:
    蒼井優、森山未來、ピエール瀧、竹財輝之助、齋藤隆成、笹野高史、佐々木すみ江
    2008年日本映画/2時間1分
    配給:
    日活
  • 7月19日より、シネセゾン渋谷、シネ・リーブル池袋ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2008「百万円と苦虫女」製作委員会

百万円と苦虫女

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