悲しみが乾くまで : 新作映画評論

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新作映画評論

悲しみが乾くまで 悲しみが乾くまで 3月29日より、恵比寿ガーデンシネマ、シネカノン有楽町1丁目ほかにてロードショー

男女の感情を鋭くえぐるビア監督の"カミソリ"感覚に驚愕!

悲しみが乾くまで (C) 2007 by DreamWorks Pictures LLC.
All Rights Reserved.

デンマークの女性監督スサンネ・ビアは、男女のざらついた感情をすくい上げる名手である。ヨーロッパ時代の「アフター・ウェディング」も「ある愛の風景」も、故イングマール・ベルイマンがTVドラマ化しそうな主題のメロドラマで、幸せを絵に描いたような裕福な家族の情景に始まり、その幸せが崩壊かつ破綻してしまうプロセスをえぐっていた。

アメリカに拠点を移した今回は、アカデミー賞受賞者であるハル・ベリー(「チョコレート」以来初めてのマトモな役だ!)とベニチオ・デル・トロを迎え、まるでセルフリメイクであるかのように同じ主題を選んでいる。突然夫を失ってしまった未亡人(ベリー)のやるせない喪失感と、彼女が亡き夫の親友だったドラッグ中毒者(デル・トロ)に抱く葛藤や屈折した関係を、"フラッシュバックの断片"をつなぎ合わせ、タペストリーのように丹念に織り込むのだ。
 
 デル・トロのぶっ飛んだ演技により、他では端整すぎて面白くないベリーの演技まで際立って見えるから不思議だ。いつもより"未来が感じられる"ハッピーな終わり方は少しばかり不満だが、女と男がベッドで足を絡ませるシーンなど、身体的な"接触"をありきたりではない描写でえげつなく切り取る、カミソリのようなビア監督の感覚に驚愕する!

佐藤睦雄

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  • 悲しみが乾くまで
  • 悲しみが乾くまで
  • 「ある愛の風景」「アフター・ウェディング」で注目されたデンマークの女性監督スサンネ・ビアのハリウッドデビュー作。愛妻の夫を突然失ってしまったオードリーは、夫の親友でヘロイン中毒から立ち直ろうと苦しんでいるジェリーに、寂しさを紛らわせるための一時的な共同生活を提案する。そして、やがて2人は互いを支えあう存在になっていくのだが……。主演は共にオスカー俳優のハル・べリーとベニチオ・デル・トロ。
  • 原題:
    Things We Lost in the Fire
    監督:
    スサンネ・ビア
    脚本・製作総指揮:
    アラン・ローブ
    製作:
    サム・メンデス、サム・マーサー
    撮影:
    トム・スターン
    音楽:
    ヨハン・セーデルクビスト
    出演:
    ハル・ベリー、ベニチオ・デル・トロ、デビッド・ドゥカブニー、アリソン・ローマン、オマーベンソン・ミラー、ジョン・キャロル・リンチ
    2007年アメリカ映画/1時間59分
    配給:
    角川映画、角川エンタテインメント
  • 3月29日より、恵比寿ガーデンシネマ、シネカノン有楽町1丁目ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C) 2007 DREAMWORKS LLC. All Rights Reserved.

悲しみが乾くまで

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