劇場公開日 2008年2月16日

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「ストーリーの繋がりが悪く、世界観が見えてきません。」デイ・ウォッチ 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0ストーリーの繋がりが悪く、世界観が見えてきません。

2008年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映像は確かにすごいのだけれど、ストーリーの繋がりが悪く、世界観が見えてきません。

 魔術師、呪術師、吸血鬼などが総出演する、オカルト要素が満載のバトルファンタジーです。
 ただ、登場人物たちは、変身能力や不老不死などの超能力を持ちながら、争いを回避するために設けられたルールにがんじがらめに縛られ、能力を謳歌するどころか、人間以上に悲哀、苦悩にまみれながら生きています。
 前作『ナイトウォッチ』では、主人公アントンが光の勢力として活動を続けているときに、伝説の災いを招く女が現れ、最後に偉大なる「異種」(特殊な超能力を持つ人間)が出現し、光と闇のバランスが崩れたところで話が終わりました。

 『デイ・ウォッチ』では、互いに均衡を保っていた光と闇の休戦協定が破られてしまうことですごい事態となってしまうというお話しです。
 だいたい光と闇の戦いでは、ハリウッド映画の常識では、天使と悪魔、善と悪の戦いになるはずです。でもそこはロシア映画。ハリウッド映画では考えられない全編ダークでクレイジーさで、光と闇の戦いといっても、もうどっちもどっち!ヤクザとマフィアの戦いといった感じでした。
 こんな戦いで、まきぞいを喰らう、普通の人間にとっていい迷惑この上なし。
 一人の闇の側の人間が殺されたというたったそれだけの理由で、光”と“闇”の勢力のバランスは崩壊し、抗争に入っていきます。それがほぼ終末戦争レベルなのですから、関係ない人間はいい迷惑です。
 それがチョーク一本で、何事もなかったようにリセットされて元に戻るのですから、2時間の意味って何だったかなと追います。
 小地蔵だけかなと思ったら、出口で観客が口々に「わかんなかったね」と話していました。
 やたら建物が壊れていくというのが正直な印象。それでも、スポーツカーがビルの壁面を駆け上り、ホテル内部を疾走するシーンは、意外性もあり見応えありましたね。(帰りはどう出て行ったか不明。)

 原作は3部作で、このあと『ダスクウォッチ』が残っていますが、本作で完結してしまったようなストーリーが、どう3作目に繋がるのかも見物でしょう。

流山の小地蔵