春よこい

劇場公開日:

春よこい

解説

佐賀県唐津市で母と暮らす少年ツヨシは、4年前に殺人を犯し逃亡中の父をいまだに慕っている。父の指名手配写真に手を触れるツヨシを目撃した新聞記者・利夫は、その場面をカメラに収め感動話として地元紙に掲載。しかし記事は町に思わぬ波紋を呼び……。「オリヲン座からの招待状」の三枝健起監督が、逃亡犯の父を待ち続ける母子の姿を通して家族の絆を描いた人間ドラマ。ツヨシの母・芳枝を「SAYURI」などの国際派女優・工藤夕貴が好演。

2008年製作/108分/日本
配給:東映
劇場公開日:2008年6月7日

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(C)2008 映画「春よこい」製作委員会

映画レビュー

4.0一人碁を打ってると思っていたら・・・ドット画制作だったのか。

2018年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 時代は80年代初めで、佐賀県呼子町の漁業町が舞台。平和に暮らす尾崎家に借金取りが現れ、尾崎修治(時任三郎)ともみ合いになった途端誤って殺害してしまうのだ。修治はそのまま逃亡し、5年が過ぎた。

 明らかに殺人ではなく過失致死、もしくは正当防衛も考えられる。すぐに自首すれば2,3年の刑期、正当防衛が認められれば無罪にだってなり得る事件。相手だってヤミ金のチンピラだったし、町の人たちも忘れ去ろうとしていた・・・しかし、「父ちゃんの顔が思い出せなくなる」と、息子のツヨシは交番に貼ってある指名手配書を見て父を懐かしんでいるところを新聞記者の岡本(西島秀俊)が涙を誘う記事にしてしまったのだ。

 妻の芳枝(工藤夕貴)は息子と修治のボケた父(犬塚弘)を女手一つで支えていかねばならない。さっさと離婚して実家に帰ればいいのに・・・とも同情してみるのだが、そこは佐賀のがばい母ちゃんである。職場の漁協でも後ろ指さされ、息子だっていじめられそうだけど、気の強さと一途な愛情が彼女を呼子に留まらせている。

 どこにでもありそうな単純なストーリー。だけど、登場人物それぞれの“間”の取り方の上手さが涙腺を刺激してくる。「すぐに自首して・・・」と周りは皆言いたいはずなのに、寸でのところでそれを言わせない。唯一、西島秀俊だけがおせっかいで全てのお膳だてをしようとする役回りなのだ。一方で、常に尾崎家を張り込みする刑事の宇崎竜堂が彼の行動を牽制しつつ、正しい道を示そうという立場。古き良き刑事ドラマの典型でもあり、最後には彼の優しさが伝わってくるのです。

 刑事ドラマ、2時間サスペンスを彷彿させるのですが、逆にその古さが良かったような気がします。人が罪を犯すと、結局は被害者・被害者家族、そして言うまでもなく本人の家族が可哀想。最近の事件報道を見ていても憤りを通り越して、残された人たちに同情してしまいます・・・

 しかしまぁ、夏だというのに「春よこい」。帰りに「冬のソナタ2」を打ってしまいました・・・

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kossy

3.0生きるということ

2014年12月7日
iPhoneアプリから投稿

知的

テーマはなかなかにして重い。
しかし人一人の生きる底力を感じる。
工藤さんがとにかく素晴らしい映画。弱くとも強く生きる女性を見事演じておられる。

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人尽天

2.5やっと、ほとぼりがさめたのにねぇ

2008年11月27日

悲しい

難しい

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shimo

1.0オリジナリティのないストーリーなら、尚更丁寧に作ってほしかった・・・

<ストーリー>
尾崎は商売道具である高速艇の漁船を、突然借金のカタに高利貸しに獲られそうになる。彼ともみ合っているうちに押し倒してしまうと、頭の打ちどころが悪く彼は死んでしまう。動揺した尾崎はそのまま高速艇で逃亡してしまう。

それから4年、周囲の白い目にさらされながら、残された妻の芳枝と息子のツヨシは今も同じ町で、生活は苦しいながらも何とか暮らしていた。ツヨシの担任教師で、妹でもある洋子から、ツヨシがいつも交番を覗いている話を聞いた新聞記者である岡本は、迷いながらもその事を記事にするのだが・・・

<個人的戯言>
【♪レ~ジ~メ~♪】
自爆シリーズ第二弾!(爆)「築地魚河岸三代目」に続く、「前時代的典型的紋切型」日本映画。しかしこれを観ると、「築地・・・」がかなりマシな映画に思えてきます。

さして面白いとも思えない話でも、ちゃんと登場人物の心の動きとかを丁寧に追えば、観客に訴えかけるものもあると思いますが、それもないどころか、

・ネタ振り的なものがあった後にほったらかしたり、
・鏡等を使った台詞なしで心情を表そうとしたイメージは安っぽく、
・どんな意味で入れたかわからないシーンもあり、

いくら何でもこれでは「ご年配」の心も捉えられず、喜んでいるのはおそらく、フィルムコミッション絡みの「唐津市の皆さん」だけじゃないでしょうか(当然年齢層高めでしたが・・・)。

【ぐだぐだ独り言詳細】
いったい何がしたくて映画を撮ったのでしょう?ただの観光ビデオ?それにしたって出来が悪過ぎ。

さしてオリジナリティーがあるとも思えないストーリーで大事なことの一つは、丹念に登場人物の心情を描いて行くことだと思うのですが、この作品はどの登場人物の心情の描き方も中途半端。

・正当防衛的な行為だったのに、尾崎はなぜ逃げたのか
・周囲の冷たい態度にも耐え、妻がその土地に残ろうとしたのはなぜなのか
・新聞記者はなぜ波紋を呼ぶ記事を書いたのか

この辺りが過程を丁寧に描かず、いきなり「台詞」でその心情を語られても、観ている方は感情移入など出来るわけがありません。
それでいてイメージのように挿入される思わせ振りなシーンは、全く効果はなく逆にいらないです。そんなんだから
「お涙頂戴」なシーンが突然来るような感じでシラ~・・・
更に意味のないシーンに至っては、別の突っ込みを入れたくなります。

例:尾崎を追う刑事が、記事の掲載後妻にそのことで話し掛けて、さらっとかわされた後、なぜか海に向かって石を投げる・・・宇崎竜童の投げるホームがおかしい・・・しかも石が飛んでいくシーンはない・・・それはいらんか!

こんな映画でも多くの人々が関わり、多くのお金が使われているようで・・・誰も止める奴はいないのか・・・

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