ファーストフード・ネイション : 新作映画評論

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ファーストフード・ネイション

劇場公開日 2008年2月16日
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ファーストフード・ネイション 2月16日よりユーロスペースにてロードショー

巨大な資本主義システムと“食の安全”への警鐘

画像1(C) 2006 RPC Coyote,Inc.

この原稿を書いている時点で混迷の度を深める“毒ギョーザ事件”をはじめ、僕らの“食の安全”を脅かす出来事が頻発している。しばらく冷凍ギョーザを食べる人は減り、スマートに生きる人(?)は今後もファーストフード屋に入り浸ったりしないだろう。だけど結局エコな雰囲気のスターバックスではなくファーストフード屋に助けを求めるのは僕らにお金がないからで、“安くて安全な食べ物などない”のだとすれば、貧乏人はどうすればいいのか?

とても面白くラディカルなリンクレイターの新作は、ファーストフード業界の劣悪な労働環境やずさんな衛生管理を告発し、数年前にアメリカで大論争を巻き起こしたルポルタージュを原作としている。ファーストフード業界の愚かさを嘲笑し、末端で働く違法移民の苦悩を描きつつ、映画作家による批判の射程は、全てが金に還元される巨大な資本主義システムそのものに向かう。あるいは僕らが何かを食べ、異物を体内に入れること抜きに生きていけないとすれば、そもそも“食の安全”などあり得るのか……と。本作でのファーストフード業界がハリウッド映画業界のメタファーに見えるのは僕だけだろうか?

リンクレイターは自らが業界内異分子にして、インディペンデントな反骨精神の持ち主であると宣言している。「オレを食えるものなら食ってみろ、そこにはお前の健康を脅かす積極的な意味での“毒”が潜んでいるぞ……」と。

北小路隆志

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ABOUT THE MOVIE

  • ファーストフード・ネイション 画像2
  • ファーストフード・ネイション
  • ジャーナリストのエリック・シュローサーがファーストフード業界の闇を暴いたルポタージュ「ファストフードが世界を食いつくす」を原作に、大手ハンバーガーチェーンでの“牛肉パテへの大腸菌混入”を巡る人間模様を通して現代社会が抱える問題をあぶり出した衝撃作。「ビフォア・サンセット」のリチャード・リンクレイターが監督を務め、グレッグ・キニア、イーサン・ホーク、アブリル・ラビーンら豪華キャストが顔を揃える。
  • 原題:
    Fast Food Nation
    監督:
    リチャード・リンクレイター
    脚本:
    エリック・シュローサー、リチャード・リンクレイター
    製作・原作:
    エリック・シュローサー
    撮影:
    リー・ダニエル
    音楽:
    フレンズ・オブ・ディーン・マルチネス
    出演:
    パトリシア・ アークエット、ボビー・カナベイル、ポール・ダノ、ルイス・ガスマン、イーサン・ホーク、グレッグ・キニア、アブリル・ラビーン、クリス・クリストファーソン
    2007年アメリカ・イギリス合作映画/1時間48分
    配給:
    トランスフォーマー
  • 2月16日よりユーロスペースにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2006 RPC Coyote,Inc.

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