アイム・ノット・ゼア : 新作映画評論

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アイム・ノット・ゼア アイム・ノット・ゼア 4月26日より、シネマライズ、シネカノン有楽町2丁目にてロードショー

ボブ・ディランの“多人格”を6人のキャラが演じ分ける巧妙な作劇

画像1(C)2007 VIP Medienfonds 4 GmbH
& Co.KG/All photos - Jonathan Wenk

ひとりの人物を6人の俳優に演じ分けさせ、複数のキャラクターを構成させた手法が絶妙だ。時代ごとにさまざまな側面を見せた天才ボブ・ディランという人物はそもそも“多人格”であるからだ。

ホーボー(貨物列車にタダ乗りする放浪者)のように放浪する幼少時代は「ウディ」という黒人少年(マーカス・カール・フランクリン)、天才詩人ランボーのような才能のきらめきを見せる青年時代は「アルチュール」(ベン・ウィショー)、プロテストソングを歌う伝道師的時代を「ジョン“牧師”」(クリスチャン・ベール)、ジョーン・バエズとおぼしき女を愛した男は「ロビー」(ヒース・レジャー)、マスコミの寵児になりながらもフォークを捨てた“裏切り者”は「ジュード」(ケイト・ブランシェット)、初老のディランは「ビリー」(リチャード・ギア)と、6つの多人格が重なり合う。

ディランは西部劇「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」に主演していたりするので、それぞれの“偽名”にも意味があって興味深い。マーティン・スコセッシ監督のドキュメンタリー「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」でディランの実像をたどると、面白味は倍加するだろう。特に、観衆から「ユダ!」呼ばわりされる時代のブランシェットの演技は、6人の中でも群を抜いている。

佐藤睦雄

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  • アイム・ノット・ゼア
  • ケイト・ブランシェット、ヒース・レジャー、リチャード・ギア、クリスチャン・ベール、ベン・ウィショーら6人の豪華キャストが、伝説的アーティスト、ボブ・ディランをそれぞれ異なった角度から演じるという話題作。「ベルベット・ゴールドマイン」などの鬼才トッド・ヘインズがメガホンを取り、フォークシンガー、ロックスター、詩人、映画スターなど様々な顔を持つボブ・ディランの謎に包まれた人生に迫る。
  • 原題:
    I'm Not There
    監督:
    トッド・ヘインズ
    脚本:
    トッド・ヘインズ、オーレン・ムバーマン
    製作:
    ジョン・ゴールドウィン、ジェフ・ローセン
    撮影:
    エドワード・ラックマン
    出演:
    クリスチャン・ベール、ケイト・ブランシェット、マーカス・カール・フランクリン、リチャード・ギア、ヒース・レジャー、ベン・ウィショー、シャルロット・ゲンズブール、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ウィリアムズ
    2007年アメリカ映画/2時間16分
    配給:
    デスペラード
  • 4月26日より、シネマライズ、シネカノン有楽町2丁目にてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2007 VIP Medienfonds 4 GmbH & Co.KG/All photos - Jonathan Wenk

アイム・ノット・ゼア

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