子猫の涙 いきいきさんの映画レビュー(感想)

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子猫の涙

劇場公開日 2008年1月26日
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負け犬とは?
投稿日:2008年6月27日
いきいきさんのレビュー

 いつまでも栄光の時は続く事はない。
 しかし、決して娘の前では弱さを見せるような事はなく真っ直ぐに生きる。
 多くの人に愛されていたであろう、
 メキシコオリンピックで銅メダルを獲得したボクサーである、
 森岡栄治の波乱万丈の生涯を娘の治子からの視点で描いた作品。
 監督は栄治の甥である森岡利行。

 オリンピックで銅メダルを獲得後プロに転向した栄治(武田真治)は、
 網膜はく離によって、たいして活躍できずに引退、プータローへ。
 しかも女癖も悪い栄治に、娘の治子(藤本七海)は軽蔑と反発を募らせる。
 家計を支えていた母の和江(紺野まひる)も愛想を尽かし家を出て行く。
 その後、愛人の裕子(広末涼子)を栄治は家に連れてくる。

 昭和の再現度は映像を温かくしていることもあり、
 丁寧な仕事をしているなという細かい部分も好感が持ててよかったが、
 晩年の武田真治と広末涼子の老けメイクが中途半端だったのは残念。

 上手いとは言えない大阪弁はしょうがないかとは思うものの、
 武田真治の鍛え上げられた肉体と めちゃいけ での経験が活きている
 なと思える演技は栄治の破天荒で、ツキのない人生でも、
 悲壮感を感じさせない役にあっている。

 広末涼子 も 紺野まひる も 山崎邦正 さえも悪くはなかったけども、
 この物語の視点となる治子を演じた藤本七海の演技には
 笑わされ、泣かされた。
 武田真治や弟とのテンポのいい会話や間の取り方は素晴らしいと思う。
 それに比べて、治子が成長した後を演じた宝生舞はなんなんだ。
 声をあててもらった方がよかったんじゃないか。

 酒に溺れ、借金を背負っても、全く暗さを見せずに、父親の意地として、
 娘には自分の弱い部分を見せようとはせずに、
 娘にはスケベオヤジと思われてようと、死ねと言われようと、
 決して本心は見せようとしない。
 弱さを少し見せた涙に、いい時もあったが、いつまでも付きまとう栄光に、
 ボクシングに対する思いが、栄治の複雑な思いが見える。

 祖父の言葉によって娘は父との関係を見つめ直し、
 栄治もボクシングへの思いを改めて考え立ち直る。

 負け犬とは何か、栄治の生き様に考える。

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