ターミネーター4 : 新作映画評論

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ターミネーター4

劇場公開日 2009年6月13日
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ターミネーター4 6月13日より丸の内ピカデリー1ほかにてロードショー

肉体性に満ちた熾烈な戦争映画として生まれ変わった同時代の終末神話

なんてことだ。マックG監督作という不安要素をはねのけ、落涙まで誘う同時代の終末神話が誕生した。絶望的な未来から修正可能な現代へ戻るという従来のサーガの視点は、もはやここにはない。タイムスリップすら封印され、罪深き謎の男マーカスの視点によって連れ出される破滅後の世界。そう、すでに「審判の日」は終わっていた。SFホラーや冒険アクションで牽引するトーンは消え失せ、本質的にこれは、死と隣り合わせの戦場で痛みをも体感させる、肉体性に満ちた熾烈な戦争映画である。

情け容赦ない殺人機械の影から逃れ、無垢な青年カイルを庇護しながら廃墟を漂流するマーカス。凶暴性と優しさを秘めた彼に扮する、新鋭サム・ワーシントンが素晴らしい。あらゆる見せ場をさらい、救世主になる運命にある抵抗軍戦士ジョンの成長を促す役割さえ担う。機械VS人間の最終戦争へ移行する過程に“別のもの”が存在したという本作最大の発想も、サムなくしてはありえない。

過去3作よりも、世界の最期を幻視したコーマック・マッカーシーのピュリッツァー賞受賞小説「ザ・ロード」を参照した世界観も功を奏し、全編を貫く暗澹たる荒野は出色の出来映えだ。それはやがて迎えるかもしれない未来ではなく、人心がすさみきった現代人の心象風景に思えてくる。それでも人間性を失わず、生き延びよ、と無線で切実に呼びかけるジョンの声。そのメッセージに熱くなれるなら、貴方も世界を変える可能性を秘めている。

清水節

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