つぐないのレビュー・感想・評価
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クラッシック映画の雰囲気全開だが…
「プライドと偏見」とまではいかないまでも、古き良き古風な雰囲気を期待して鑑賞。
期待通りの映像美中で、序盤はそれなりの展開で進んでいたと思うが、中盤から後半にかけてのストーリー展開は、期待から大きく逸れ、乱れに乱れた印象。恋愛・家族愛・格差・裏切り・戦争の残酷さ等々、何でもかんでも詰め込み過ぎたのでは。
また、どんな効果を狙ったのかわからないが、時系列を多少いじってみたり、やたらきれいに飾った映像の中でのいきなりの残酷シーンの連続は少々浮き気味に感じる。
主役陣達の心情もいまひとつわかりにくい…
ずいぶん評価された作品のようだが、観る人の好みによって本作の良し悪しは大きく分かれるだろう。
これは恋愛映画ではない、贖罪は誰でもある。
イギリスは何故ダンケルクから撤退をしたか?
その点が疑問で仕方ない。もし、撤退を考えるなら、最初から撤退の手立てを考えるのが、兵站といつものだ。
この映画は、イギリスやフランスから戦死した兵士への『つぐない』の気持ちを表しているんじゃないかなぁ。
再び、ノルマンディーへ上陸しなければならないリスクもあったわけだから、そこでの戦死者を数に入れると、少なくとも、ダンケルクは犬死である。ドイツよりも
イギリスやフランスに怒りを抱く者もいたんじゃないか?と感じる。
ふたりの人生を狂わせた罪深き妹の証言
キーラナイトレイ扮する令嬢セシーリアタリスは、ジェームズマカヴォイ扮する家政婦の息子ロビーターナーとケンブリッジ大学で同級だったが遠ざけていた。しかしながらある時ふたりは愛しあっている事を確認した。
身分違いの恋は難しいよね。しかもシアーシャローナン扮するセシーリアの妹ブライオニーに色々見られていた。
キーラナイトレイ主演作かと思って観たが、嫉妬からふたりの人生を狂わせた罪深き妹の証言と言う後味悪い残忍な展開だったね。
一人の少女の嘘が
やっと結ばれた男女の仲を引き裂いてしまう…
生涯をかけたつぐないの覚悟か、裕福な暮らしを捨てて看護師の道へ
ブライオニー役の少女の鬼気迫る演技
I saw him my own eyes
の繰り返しは、、どこか取り憑かれた印象で、凄みがあった。
キーナナイトレイの、美しくも芯の強い女性の好演
プライドと偏見での
あなた、あらゆる言葉で私を侮辱しましたね
と、富豪のダーシー氏と自分の娘を結婚させようと画策する良家の夫人をピシャリと言い放った場面を、思い出した。
また、引き裂かれた相手方の青年
海辺の基地で、水を求めてさまよい、蛇口をひねるも水は出ない…
袋小路に入り込んだ人生を象徴していた
本当の事を言えない人達
本当は好きなのに冷たい態度をしてしまう姉。身分の違いから愛の告白が出来ない男。その男に初恋をした妹。この妹が贖罪のつもりで小説を書く。物語は過去へ行ったり来たりして事実が明らかにされていく。妹役は少女、若い女性、老女と3人が演じている。戦時下での純愛。綺麗なようでいて性描写もあり「大人限定の映画」だと思う。チョコレートの男とその女が狡いね。
贖罪とは何かを考えさせてくれる映画
小さな嘘がカップル、二人の人間の運命を狂わせていく話です。観終わった後でフランス映画のエッセンスを感じたので確認したら英仏合作でした。フランス映画は人間の機微を描く作品が多いですし、そうした描写が秀逸だったりするので納得です。
ブライオニーの少女時代を演じるのはシアーシャ・ローナン。この作品で2007年の助演女優賞にノミネートされています。この時まだ13歳。上手なだけでなく、しっかりと存在感を感じさせてくれます。のちに「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」では次女ジョーを演じて、オスカー主演女優賞にノミネートされますね。
うその証言によって有罪になった話は今でも全然ありますが、罪の意識を感じるかどうかは人により大きく異なるでしょう。日本で有名な冤罪事件は警察の嘘によって死刑が確定するものも少なくありませんが、関係者が贖罪したという話は全く聞いたことがありません。そうした意識を本人が持ち合わせていても、家族親族が表沙汰になることを阻止することもあるでしょう。
そうしたことを考えさせてくれる映画でした。
愛するふたりを羨んで
思春期に憧れた青年
その青年と姉が愛し合う
ふたりを羨ましく思い
嘘をついた
それが後々…後悔することに
この作品は愛し合うふたりを引き裂く
結果になってしまったけど
その後に起きた戦争もふたりの人生に
大きく関わってしまうところが切なさを感じます
戦争の部分が結構長くて
戦争もリアルな感じが途中から戦争の映画を
観ている様でした
些細な嘘がふたりの人生を変えて
人生の最後まで償うことは
できなかった
償いきれない心の気持ちを小説にして
終止符とした作者
シアーシャ.ローナンのあどけない感じだけど
今と変わらない雰囲気がある
マキューアンの世界
多分、この映画がきっかけでマキューアンの小説を読むようになった。イギリスの上流階級、広大な庭園、豪奢な家具にイギリス的(リバティ柄?)壁紙にカーテン、図書室まである豪邸。偶然が重ならなければ、育ちが異なっていなければ、いとこ達が来ていなければ、感性が豊かすぎるあの子さえいなければ、運命が狂うことはなかったのに。幼いシアーシャ・ローナンの恐ろしいほどの演技力にたまげます。
今回、Cumberbatch確認の為に久しぶりに鑑賞。「イギリス」世界に自然に美しくフィットする方です。チョコレート野郎の最低な奴という役回りですが。映画は緑と水と花が美しい映像で時間軸のずらしも素晴らしい。そして音楽、手紙、タイプライターの音がとても効いている。原作はもっと巧妙で果たして本当に「つぐない」になっているのかと読者を悩ませ猜疑心すら抱かせる。映画ではヴァネッサ・レッドグレーブがシアーシャの老年期を演じているのでどうしても肩入れしてしまうが・・・。
凄い音響
ストーリーの重さ、役者の芝居、長回しのダンケルクのシーンなど見所は多いが、なんといっても音響の凄いこと。最初のシーンから音と映像がぴたりと合ってて、本当に気持ちがいい。兵士たちの歌からBGMへと自然に繋がってストーリーを進めたり、思い出話の「月の光」が看取ったあとに流れてブライオニーを後押ししたり。そして全編効果的に流れるタイプライターの音。
なんか凄いものを見ました。
二日続けて重い映画を観てしまった、、
(DVDの)画像不良とかを乗り越えて、やっとこさの鑑賞。
しかし、、、重い、、、
まだ昨日の「エレファント・マン」の方が(重さで言うと)マシだったかもしれない(個人的には)。
ジョー・ライト×キーラ・ナイトレイのタッグは『アンナ・カレーニナ』を、あれ?全部観たんだっけな? ともあれ、それ以来の鑑賞。
シアーシャ・ローナン、たぶん初めて見た。
まぁ、、しかし、妹っていうのは嫌なモンですよ(※自分も姉妹の妹です(笑)) ブライオニー(シアーシャ・ローナン)の場合はまぁ、、乱暴に言うと(振り向いてもらえなかったっていう)逆恨みよね。
そしてまたややこしいことに、、二人(セシリア&ロビー)のイチャイチャの仕方もまぁ、年端のいかない当時の女の子からしたら、襲われてるように見えなくもないんだよなぁ、、確かに。
(その前の噴水のシーン!素晴らしい。緊張感が。でもその緊張感も、遠くの窓越しに見る少女の目には、これまた一種の喧嘩のように見えなくもない)
公開当時、この妹クソだな!みたいな"やり場のない怒り"的な感想をたまに目にしたが、気持ちは分からないでもない。重いというか、後味が悪い(汗)
でもまぁ、子供時代の悪気のない罪って、思い当たるフシのある人は多いと思う。それがこの映画の普遍性かなぁ。
あと、中盤からは割と戦争一色です。
(エネルギーとか非日常といった意味での)明るさと暗さがないまぜになった戦場の描き方はさすがジョー・ライト。通りいっぺんではないです。
ジェームズ・マカヴォイは『ペネロピ』で観て以降、お気に入りです(笑) でもやっぱり、、手紙は直接渡さなきゃだめね。人づてはコワい、、
キーラと、マカヴォイの最高傑作
2人が、1番、綺麗で格好良い時に。出会えて良かったぁ。
もう、ロビー。セシーリア。Greenの、この上無く美しいドレスと星の髪飾り
大人になったら、一体、どうなってしまうんだろう?と心配(笑)していた
シアーシャ。当時は、ナンテ凄い子役が出て来たんだ!と驚いたもの。
認められて良かった。彼女も、つぐないの演技が最高なんじゃない?
何回、観ても泣ける。最高のLove Story.
せめていい捉え方をしたいくらい辛い
胸が締め付けられるような話。
前々から気になっていた映画だったけれど
レビューを読んでこれは余裕がある時にみなくてはと心構えで観た。
せめてポジティブな感想をしたい。
結末はどうであれ、
愛し合っていた過去は事実。
それは決して消すことが出来ない事実。
消えない愛し合った事実。
鎮魂
戦争で若くして死した者の無念を、生き残った者が想い祀るのは東西を問わぬ。過去の過ちの為にその想いを倍加する展開であるが、13歳に罪悪感を背負わせるのはそれも罪で、きちんと裁けない司法の問題のはずだが...などと話自体はスッキリはしない。
ダンケルクを長回しで描いたシーンが圧巻。役者陣の頑張りと演出の妙、見応えはある。
原罪と恋愛は小説の永遠のテーマ
年老いた女流作家が追憶する少女期の出来事の、あまりにも悲痛な恋愛ドラマ。ジョー・ライト監督の演出は「プライドと偏見」の時よりも進化して、モンタージュと音の効果に新しい試みを行い、文学の世界観の表現に近づいた印象を持つ。ジョセフ・ロージー監督の「恋」を連想させるが、原作者イアン・マキューアンの世界は更に心苦しく、感情の複雑さに至る。ラストのバネッサ・レッドグレーブの登場で、作家内の想像と小説の為の創造が一つになる面白さが凄い。キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ共に好演。
小説完読後の満足感に似た感銘を得られる反面、鑑賞時の精神安定も求められる難しい映画。
未熟な嫉妬が産んだ悲劇
切なさの中に、ある種の正当性を持つ報いがある。
「無垢な少女」は、「純真」ではない。
未熟な嫉妬心が事実を歪め、
真実を知ることから目を背けた。
恋愛、嫉妬、無垢、偽り、
情熱、真実、贖罪、悲劇、、、
あまりに深いテーマを、見事に描いた名作だった。
10年前のシアーシャ・ローナンと髪のあるマカヴォイ
シアーシャちゃん鑑賞目的で観た。『追想』と同じくイアン・マキューアン原作だが未読。という時点で多少は予想しておくべきだったのかもしれない。ヴァネッサ・レッドグレーブどこかに出てきたっけと途中で思ったのに。
最後でそれまでのことが作中作と明かされフンフンとなったところで、さらに後半はそうあって欲しかった創作と明かされ「信用できない語り手」だったことがわかる。そうですかそうきますか。それでこのタイトルですか。どちらかというと、小説版の邦題『贖罪』の方が、失われた人生の重みや取り返しのつかない罪を犯した罪悪感の強さを感じられるかな。ブライオニーはみんなよかった。
息もできない
個人評価:4.3
息も出来なくなるほど、つらく悲しい物語。
前半の透明感あるイギリスの夏の休暇の描写と、後半の戦火に否応にも巻き込まれる登場人物たちの描写があまりにも絵が違い、不幸へと転がり落ちる様を見事に描いている。
またダンケルクの浜の描写は、ノーラン作の「ダンケルク」をも凌駕する演出と長回しの1シーンでの撮影。この迫力あるカットで、物語がよりリアルな世界観へと変わる。
贖罪をテーマに描かれた本作。少女時代のシアーシャ・ローナンの純粋かつ勝ち気な性格が、この物語の贖罪の基盤となり核となる。
そのキーパーソンに抜擢された若き日のシアーシャ・ローナンの宝石のような演技も見もの。
嘘が悲劇に
マッツの偽りなき者を思い出しました。幼い嫉妬からくる嘘が人の人生を変えてしまう。なんて悲しいの!ダンケルクのあたりは悲しさが中だったのですが、ラストの展開に驚かされ、悲しさが大に増えました。あの夜は本当に事件だったのかも疑問ですね。本当は合意の上だったのでは?と。ベネさんファンはとても複雑な気持ちになるでしょう。とても切なく悲しい運命だけど良い作品でした。
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