ミスト : 新作映画評論

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新作映画評論

ミスト ミスト 5月10日より、有楽町スバル座ほかにてロードショー

生きることの中で遭遇する怖ろしいものの存在を暴き出す

ミスト (C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.

視界ゼロの白霧の中を自動車のハンドルを握ってゆっくりと進む。霧の中のどこかに怖ろしい何かが存在することは分かっている。しかし、留まるか、ガソリンの続く限り進むかしか選択肢はない。車内に同行者があることは恵みである。こんな場面に鎮魂歌めいた音楽が流れると、なるほど、生きるということはこのようなことでもあったかと腑に落ちる。「ミスト」はそんな映画だ。

スーパーマーケットで買い物をしていた人々が、人間を襲う恐怖の霧の発生によって外部に出られなくなる。同じ状況下に置かれた多くのゾンビ映画では人々は一致団結して戦うが、本作では恐怖ゆえに判断力を失った人間の集団が、外部の敵より怖ろしいものに変貌していく。ここまでは原作通り。が、フランク・ダラボン監督は新たなエンディングを加え、この集団異常心理を回避できた人々ですら避けて通ることができない、生きることの中で遭遇する怖ろしいものの存在を暴き出す。この追加部分によって映画が一気に奥行きを増すのだ。

だが、こうした物語は背後に隠し、表向きはホラー映画の定石を守っているのが本作のよいところ。異様な昆虫系生物が大量に登場、人体の変貌や流血もたっぷり。霧の中にあまりにも巨大すぎる異形の生物も出現するが、その造形と動きは優美ですらある。

平沢薫

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  • 「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」でスティーブン・キングの世界を見事に映画化したフランク・ダラボン監督が、映像化不可能と言われていたキングの傑作中篇「霧」に挑んだ意欲作。激しい嵐が過ぎ去った町に不気味な深い霧が立ち込め、住民たちは身動きが取れなくなってしまう。やがて霧の中に潜んだ正体不明の生物が彼らを襲いはじめ……。原作とは異なる衝撃のラストが全米公開時に大きな話題を呼んだ。
  • 原題:
    The Mist
    監督・脚本:
    フランク・ダラボン
    製作総指揮:
    ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン、リチャード・サバースタイン
    製作:
    フランク・ダラボン、リズ・グロッツァー
    原作:
    スティーブン・キング
    撮影:
    ローン・シュミット
    音楽:
    マーク・アイシャム
    出演:
    トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ネイサン・ギャンブル、ローリー・ホールデン、アンドレ・ブラウアー、トビー・ジョーンズ、ウィリアム・サドラー、アレクサ・タバロス、ネイサン・ギャンブル、クリス・オーウェイン、サム・ウィットワー、ロバート・C・トレベイラー、デビッド・ジェンセン、ゲリー・コリンズ・リンツ
    2007年アメリカ映画/2時間5分
    配給:
    ブロードメディア・スタジオ
  • 5月10日より、有楽町スバル座ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2007 The Weinstein Company.All rights reserved.

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